(No.221)

中国における鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例
2016年12月23日更新

 2016年12月20日、香港特別行政区の保健局(DOH)は世界保健機関(WHO)に対し、新たに1人の鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染確定例を報告しました。

症例の詳細情報
 患者は75歳の男性で、2016年11月28日から12月9日までの間に広東省東莞市を訪問していました。12月
8日に胸部不快感で発症し、同地の病院を受診しました。12月9日に香港特別行政区へ帰還し、痰を伴う咳、息切れ、鼻汁および胸部不快感のため、入境地点から直接救急車で病院へ搬送され入院しました。
 この患者から12月9日に採取された鼻咽頭スワブが、検査によりエンテロウイルス/ライノウイルスが
陽性、インフルエンザが陰性と判定されました。その後、12月19日に採取された鼻咽頭からの吸引検体に
おいて、鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスRNAが陽性であることが判明しました。患者は報告時点において危篤状態であると報告されましたが、21日になり更に状態は悪化し危険な状態となっています。患者は
東莞市の生鮮市場を訪れ、調理された鶏を購入していました。DOHの調査が引きつづき行われており、
広東省の保健当局とも連絡を取り合っています。
 2013年以降、国際保健規則(IHR)を通して、鳥インフルエンザA(H7N9)の確定診断患者は808人報告
されています。

公衆衛生上の取り組み
 保健局の衛生防護センターは、以下の措置対策をとっています。
• 住民に対して、同地域内に滞在中および他地域に渡航中において、食品衛生および環境衛生を各個人が
 厳密に維持することを強く要請しました。
• 医師、病院、学校およびその他の公共施設に対して、最新の状況に関する警告を発出する

【出典】
Emergencies preparedness, response
Human infection with avian influenza A(H7N9) virus – China
Disease outbreak news
23 December 2016
http://www.who.int/csr/don/23-december-2016-ah7n9-china/en/