エボラ出血熱の流行状況(75)
平成28年2月3日更新
2016年2月3日、世界保健機関(WHO)はエボラ出血熱(EVD)の流行状況を更新しました。
要約
*シエラレオネにおいて、2015年11月7日、2014年のエボラ流行に直接関連するヒト-ヒト感染が
終息したことが宣言されました。シエラレオネでは、その後、見逃された感染の連鎖や保因動物からの
再来、 流行地域からのウイルスの再輸入や、生存者に残存しているウイルスからの再感染を迅速に
探索するため、90日間のサーベイランス強化期間に入っていました。90日間のサーベイランス強化期間に
入り68日が経過した1月14日に、シエラレオネにおいて、病死した22歳の女性における死後の
スワブ検体から エボラウイルス陽性が検査で確認され、新たなEVD確定例として報告されました。
患者女性は1月12日にTonkolili 地区のMagburakaの町内にある彼女の家族の家で死亡し、安全でない
方法で埋葬されました。約150人の接触者が4地区で同定され、2月2日現在フォローアップされている
接触者は112人となっています。患者の家族を含めて多くの接触者がEVDを発症する可能性のある
ハイリスク群とみなされています。彼らは21日間自主的隔離施設(VQF)に移動しています。
1月20日にTonkoliliのVQFにいる接触者が発症し、EVDの検査陽性となりました。
この患者は原患者の世話をしていた伯母にあたる人です。彼女はフリータウンにあるEVD治療センターに
転送となり加療継続中です。
*上記患者の発症時、同じVQFにいた4人の接触者は最終接触から21日が経過する2月11日まで環視下に
置かれることになりました。他の108人については2月3日に21日間の監視期間を終了する予定です。
しかし108人中48人はさらに監視が継続され、2月3日以降更に最低21日間滞在するようにとされて
います。この18人のハイリスク者を含む48人は接触歴が不明で、もともとKambia.での接触者と
なっています。
*リベリアにおける、最後の集団感染例に関連したヒト-ヒト感染は2016年1月14日に終息しました。
ギニアでは2015年12月29日にEVD流行の終息が宣言されており、現在は90日間のサーベイランス
強化期間に入っており、2016年3月27日に終了する予定です。
*WHOとその他の協力機関の指導のもと、ギニア、リベリアおよびシエラレオネの保健省は、
想定される1万人以上のEVD感染の生存者の健康を守るための重要なサービスのパッケージを配布する
計画があり、濃厚接触による感染を防止するために必要な予防措置をとることができます。リベリアの
300人以上の男性生存者は2016年1月17日までに精子検査のスクリーニングとカウンセリングサービスを
うけました。
*残存するエボラリスクを管理する第2期の3つの枠組みの鍵となる目的を達成するために、医療従事者や
公衆衛生従事者があらゆる熱性疾患の患者もしくはその死亡の原因をEVDとの関連を疑い報告できるように
するために、WHOはギニア、リベリア、シエラレオネのサーベイランスシステムの強化を実現できるよう
支持しました。
1月31日の週にギニアでは1,063件の警告が34県すべてから報告され、コミュニティ内の死亡の報告は
1,060件と殆どを占めていました。同期間にギニアで稼働中の9つの研究所で34県のうち17県から新規
あるいは再検の346検体(生存者から14検体、コミュニティ内の死亡者から332検体)が検査されました。
リベリアでは15州すべてから826件の警報が報告されそのほとんどの925件は生存者でした。リベリアでの
稼働中の5つの研究所では、同期間の間1003件の新規と再検査の検体(生存者から807検体と
コミュニティ内の死亡者から196検体)が検査されました。シエラレオネでは14地域から1287件の警報が
報告されました。そのほとんどである1,071件の警報は、コミュニティ内の死亡でした。シエラレオネの
稼働中の7つの研究所では、同期間の間1,059件の新規と再検査の検体(生存者から76検体と
コミュニティ内の死亡者から983検体)を検査しました。
表1. ギニア、リベリア、シエラレオネにおけるEVD症例数と死亡者数
※ 表1のデータは、各国の保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は、再分類、
再集計、検査結果の利用状況によって変更される場合があります。
※2 現在行われているサーベイランスや、発症者、死亡者の再調査により、これらの数字は改訂される
可能性があります。
※3 シエラレオネは2015年11月7日にEVD流行の終息が宣言されており、現在は90日の高警戒期間に
入っています。
※4 ギニアは2015年12月29日にEVD流行の終息が宣言されており、現在は90日の高警戒期間に
入っています。
※5現在行われているサーベイランスや、発症者、死亡者の再調査により、これらの数字は改訂される
可能性があります。
【出典】
WHO, Ebola
Ebola Situation Report – 03 February 2016
http://apps.who.int/ebola/current-situation/ebola-situation-report-3-february-2016
要約
*シエラレオネにおいて、2015年11月7日、2014年のエボラ流行に直接関連するヒト-ヒト感染が
終息したことが宣言されました。シエラレオネでは、その後、見逃された感染の連鎖や保因動物からの
再来、 流行地域からのウイルスの再輸入や、生存者に残存しているウイルスからの再感染を迅速に
探索するため、90日間のサーベイランス強化期間に入っていました。90日間のサーベイランス強化期間に
入り68日が経過した1月14日に、シエラレオネにおいて、病死した22歳の女性における死後の
スワブ検体から エボラウイルス陽性が検査で確認され、新たなEVD確定例として報告されました。
患者女性は1月12日にTonkolili 地区のMagburakaの町内にある彼女の家族の家で死亡し、安全でない
方法で埋葬されました。約150人の接触者が4地区で同定され、2月2日現在フォローアップされている
接触者は112人となっています。患者の家族を含めて多くの接触者がEVDを発症する可能性のある
ハイリスク群とみなされています。彼らは21日間自主的隔離施設(VQF)に移動しています。
1月20日にTonkoliliのVQFにいる接触者が発症し、EVDの検査陽性となりました。
この患者は原患者の世話をしていた伯母にあたる人です。彼女はフリータウンにあるEVD治療センターに
転送となり加療継続中です。
*上記患者の発症時、同じVQFにいた4人の接触者は最終接触から21日が経過する2月11日まで環視下に
置かれることになりました。他の108人については2月3日に21日間の監視期間を終了する予定です。
しかし108人中48人はさらに監視が継続され、2月3日以降更に最低21日間滞在するようにとされて
います。この18人のハイリスク者を含む48人は接触歴が不明で、もともとKambia.での接触者と
なっています。
*リベリアにおける、最後の集団感染例に関連したヒト-ヒト感染は2016年1月14日に終息しました。
ギニアでは2015年12月29日にEVD流行の終息が宣言されており、現在は90日間のサーベイランス
強化期間に入っており、2016年3月27日に終了する予定です。
*WHOとその他の協力機関の指導のもと、ギニア、リベリアおよびシエラレオネの保健省は、
想定される1万人以上のEVD感染の生存者の健康を守るための重要なサービスのパッケージを配布する
計画があり、濃厚接触による感染を防止するために必要な予防措置をとることができます。リベリアの
300人以上の男性生存者は2016年1月17日までに精子検査のスクリーニングとカウンセリングサービスを
うけました。
*残存するエボラリスクを管理する第2期の3つの枠組みの鍵となる目的を達成するために、医療従事者や
公衆衛生従事者があらゆる熱性疾患の患者もしくはその死亡の原因をEVDとの関連を疑い報告できるように
するために、WHOはギニア、リベリア、シエラレオネのサーベイランスシステムの強化を実現できるよう
支持しました。
1月31日の週にギニアでは1,063件の警告が34県すべてから報告され、コミュニティ内の死亡の報告は
1,060件と殆どを占めていました。同期間にギニアで稼働中の9つの研究所で34県のうち17県から新規
あるいは再検の346検体(生存者から14検体、コミュニティ内の死亡者から332検体)が検査されました。
リベリアでは15州すべてから826件の警報が報告されそのほとんどの925件は生存者でした。リベリアでの
稼働中の5つの研究所では、同期間の間1003件の新規と再検査の検体(生存者から807検体と
コミュニティ内の死亡者から196検体)が検査されました。シエラレオネでは14地域から1287件の警報が
報告されました。そのほとんどである1,071件の警報は、コミュニティ内の死亡でした。シエラレオネの
稼働中の7つの研究所では、同期間の間1,059件の新規と再検査の検体(生存者から76検体と
コミュニティ内の死亡者から983検体)を検査しました。
表1. ギニア、リベリア、シエラレオネにおけるEVD症例数と死亡者数
国名 | 症例定義 | 症例数 | 21日以内の 症例数 |
死亡者数 |
ギニア※4 | 確定例 | 3,351 | 0 | 2,083 |
可能性例 | 453 | 未報告 | 453 | |
疑い例 | 0 | 未報告 | データなし | |
国別総数 | 3,804 | 0 | 2,536 | |
リベリア | 確定例 | 3,151 | - | データなし |
可能性例 | 1,879 | - | データなし | |
疑い例 | 5,636 | - | データなし | |
国別総数 | 10,666 | - | 4,806 | |
リベリア※2 | 確定例 | 9 | 0 | 3 |
可能性例 | 未報告 | 未報告 | データなし | |
疑い例 | 未報告 | 未報告 | データなし | |
国別総数 | 9 | 0 | 3 | |
シエラレオネ※3 | 確定例 | 8,704 | 0 | 3,589 |
可能性例 | 287 | 未報告 | 208 | |
疑い例 | 5,131 | 未報告 | 158 | |
国別総数 | 14,122 | 0 | 3,955 | |
シエラレオネ※5 | 確定例 | 2 | 2 | 1 |
可能性例 | 0 | 0 | 0 | |
疑い例 | 0 | 0 | 0 | |
国別総数 | 2 | 2 | 1 | |
総数 | 確定例 | 15,217 | 2 | データなし |
可能性例 | 2,619 | 未報告 | データなし | |
疑い例 | 10,767 | 未報告 | データなし | |
総数 | 28,603 | 2 | 11,301 |
再集計、検査結果の利用状況によって変更される場合があります。
※2 現在行われているサーベイランスや、発症者、死亡者の再調査により、これらの数字は改訂される
可能性があります。
※3 シエラレオネは2015年11月7日にEVD流行の終息が宣言されており、現在は90日の高警戒期間に
入っています。
※4 ギニアは2015年12月29日にEVD流行の終息が宣言されており、現在は90日の高警戒期間に
入っています。
※5現在行われているサーベイランスや、発症者、死亡者の再調査により、これらの数字は改訂される
可能性があります。
【出典】
WHO, Ebola
Ebola Situation Report – 03 February 2016
http://apps.who.int/ebola/current-situation/ebola-situation-report-3-february-2016