エボラ出血熱の流行状況(76)
平成28年2月17日更新
2016年2月17日、世界保健機関(WHO)はエボラ出血熱(EVD)の流行状況を更新しました。
要約
*シエラレオネにおいて、2015年11月7日、2014年のエボラ流行に直接関連するヒト-ヒト感染が
終息したことが宣言されました。シエラレオネでは、その後、見逃された感染の連鎖や保因動物からの
再来、 流行地域からのウイルスの再輸入や、生存者に残存しているウイルスからの再感染を迅速に
探索するため、90日間のサーベイランス強化期間に入っていました。90日間のサーベイランス強化期間に
入り68日が経過した1月14日に、シエラレオネにおいて、病死した22歳の女性における死後のスワブ検体
から エボラウイルス陽性が検査で確認され、新たなEVD確定例として報告されました。1月20日この患者の
伯母にあたる人が発症し、検査でEVD陽性が確定しました。この人はハイリスク接触者とされてから
自主的隔離施設(VQF)に移動していました。その後2月4日に実施された検査ではEVDのウイルスRNAが
血液検体から検出されなくなったために退院となりました。上記2人に対するすべての接触者は2016年2月
11日までに監視期間を終了しています。Kambiaでの所在地未確認の接触者については少なくとも2月24日
までは所在を探す努力が継続される予定です。この感染集団については3月17日までに患者が発生しなければ
終息宣言がされる予定です。
*リベリアにおける、最後の集団感染例に関連したヒト-ヒト感染は2016年1月14日に終息しました。
ギニアでは2015年12月29日にEVD流行の終息が宣言されており、現在は90日間のサーベイランス強化
期間に入っており、2016年3月27日に終了する予定です。
*WHOとその他の協力機関の指導のもと、ギニア、リベリアおよびシエラレオネの保健省は、想定される
1万人以上のEVD感染の生存者の健康を守るための重要なサービスのパッケージを配布する計画があり、
濃厚接触による感染を防止するために必要な予防措置をとることができます。リベリアの300人以上の
男性生存者は2016年1月17日までに精液検査のスクリーニングとカウンセリングサービスをうけました。
更にシエラレオネの2600人以上の生存者は全身健康診断と眼の検査を受けています。
*残存するエボラリスクを管理する第2期の3つの枠組みの鍵となる目的を達成するために、医療従事者や
公衆衛生従事者があらゆる熱性疾患の患者もしくはその死亡の原因をEVDとの関連を疑い報告できるように
するために、WHOはギニア、リベリア、シエラレオネのサーベイランスシステムの強化を実現できるよう
支持しました。
2月14日の週にギニアでは1,251件の警告が34県すべてから報告され、コミュニティ内の死亡の報告は
1,241件と殆どを占めていました。同期間にギニアで稼働中の9つの研究所で34県のうち17県から新規
あるいは再検の316検体(生存者から18検体、コミュニティ内の死亡者から298検体)が検査されました。
リベリアでは15州すべてから877件の警報が報告されそのほとんどの719件は生存者でした。リベリアで
稼働中の5つの研究所では、同期間の間924件の新規と再検査の検体(生存者から789検体とコミュニティ
内の死亡者から135検体)が検査されました。シエラレオネでは14地域から1872件の警報が報告され
ました。そのほとんどである1,500件の警報は、コミュニティ内の死亡でした。シエラレオネの稼働中の
7つの研究所では、同期間の間978件の新規と再検査の検体(生存者から37検体とコミュニティ内の死亡者
から941検体)を検査しました。新規患者発生後、即座に対応できるチームの配備はギニア、リベリア、
シエラレオネにおける国家対策戦略の基礎となっています。いずれの国にも、2016年を通じて継続できる
国家あるいは下位のレベルでの緊急対策での対応能力の強化と事象発生時の対応についての計画の検証を
行う国家緊急対策チームがすくなくとも1つはあります。
表1.
※ 表1のデータは、各国の保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は、再分類、
再集計、検査結果の利用状況によって変更される場合があります。
※2 現在行われているサーベイランスや、発症者、死亡者の再調査により、これらの数字は改訂される
可能性があります。
※3 シエラレオネは2015年11月7日にEVD流行の終息が宣言されており、現在は90日の高警戒期間に
入っています。
※4 ギニアは2015年12月29日にEVD流行の終息が宣言されており、現在は90日の高警戒期間に
入っています。
【出典】
WHO Ebola
Ebola Situation Report -17 February2016
http://apps.who.int/ebola/current-situation/ebola-situation-report-17-february-2016
要約
*シエラレオネにおいて、2015年11月7日、2014年のエボラ流行に直接関連するヒト-ヒト感染が
終息したことが宣言されました。シエラレオネでは、その後、見逃された感染の連鎖や保因動物からの
再来、 流行地域からのウイルスの再輸入や、生存者に残存しているウイルスからの再感染を迅速に
探索するため、90日間のサーベイランス強化期間に入っていました。90日間のサーベイランス強化期間に
入り68日が経過した1月14日に、シエラレオネにおいて、病死した22歳の女性における死後のスワブ検体
から エボラウイルス陽性が検査で確認され、新たなEVD確定例として報告されました。1月20日この患者の
伯母にあたる人が発症し、検査でEVD陽性が確定しました。この人はハイリスク接触者とされてから
自主的隔離施設(VQF)に移動していました。その後2月4日に実施された検査ではEVDのウイルスRNAが
血液検体から検出されなくなったために退院となりました。上記2人に対するすべての接触者は2016年2月
11日までに監視期間を終了しています。Kambiaでの所在地未確認の接触者については少なくとも2月24日
までは所在を探す努力が継続される予定です。この感染集団については3月17日までに患者が発生しなければ
終息宣言がされる予定です。
*リベリアにおける、最後の集団感染例に関連したヒト-ヒト感染は2016年1月14日に終息しました。
ギニアでは2015年12月29日にEVD流行の終息が宣言されており、現在は90日間のサーベイランス強化
期間に入っており、2016年3月27日に終了する予定です。
*WHOとその他の協力機関の指導のもと、ギニア、リベリアおよびシエラレオネの保健省は、想定される
1万人以上のEVD感染の生存者の健康を守るための重要なサービスのパッケージを配布する計画があり、
濃厚接触による感染を防止するために必要な予防措置をとることができます。リベリアの300人以上の
男性生存者は2016年1月17日までに精液検査のスクリーニングとカウンセリングサービスをうけました。
更にシエラレオネの2600人以上の生存者は全身健康診断と眼の検査を受けています。
*残存するエボラリスクを管理する第2期の3つの枠組みの鍵となる目的を達成するために、医療従事者や
公衆衛生従事者があらゆる熱性疾患の患者もしくはその死亡の原因をEVDとの関連を疑い報告できるように
するために、WHOはギニア、リベリア、シエラレオネのサーベイランスシステムの強化を実現できるよう
支持しました。
2月14日の週にギニアでは1,251件の警告が34県すべてから報告され、コミュニティ内の死亡の報告は
1,241件と殆どを占めていました。同期間にギニアで稼働中の9つの研究所で34県のうち17県から新規
あるいは再検の316検体(生存者から18検体、コミュニティ内の死亡者から298検体)が検査されました。
リベリアでは15州すべてから877件の警報が報告されそのほとんどの719件は生存者でした。リベリアで
稼働中の5つの研究所では、同期間の間924件の新規と再検査の検体(生存者から789検体とコミュニティ
内の死亡者から135検体)が検査されました。シエラレオネでは14地域から1872件の警報が報告され
ました。そのほとんどである1,500件の警報は、コミュニティ内の死亡でした。シエラレオネの稼働中の
7つの研究所では、同期間の間978件の新規と再検査の検体(生存者から37検体とコミュニティ内の死亡者
から941検体)を検査しました。新規患者発生後、即座に対応できるチームの配備はギニア、リベリア、
シエラレオネにおける国家対策戦略の基礎となっています。いずれの国にも、2016年を通じて継続できる
国家あるいは下位のレベルでの緊急対策での対応能力の強化と事象発生時の対応についての計画の検証を
行う国家緊急対策チームがすくなくとも1つはあります。
表1.
国名 | 症例定義 | 症例数 | 21日以内の 症例数 |
死亡者数 |
ギニア※4 | 確定例 | 3,351 | 0 | 2,083 |
可能性例 | 453 | 未報告 | 453 | |
疑い例 | 0 | 未報告 | データなし | |
国別総数 | 3,804 | 0 | 2,536 | |
リベリア | 確定例 | 3,151 | - | データなし |
可能性例 | 1,879 | - | データなし | |
疑い例 | 5,636 | - | データなし | |
国別総数 | 10,666 | - | 4,806 | |
リベリア※2 | 確定例 | 9 | 0 | 3 |
可能性例 | 未報告 | 未報告 | データなし | |
疑い例 | 未報告 | 未報告 | データなし | |
国別総数 | 9 | 0 | 3 | |
シエラレオネ※3 | 確定例 | 8,704 | 0 | 3,589 |
可能性例 | 287 | 未報告 | 208 | |
疑い例 | 5,131 | 未報告 | 158 | |
国別総数 | 14,122 | 0 | 3,955 | |
シエラレオネ※5 | 確定例 | 2 | 0 | 1 |
可能性例 | 0 | 0 | 0 | |
疑い例 | 0 | 0 | 0 | |
国別総数 | 2 | 2 | 1 | |
総数 | 確定例 | 15,217 | 2 | データなし |
可能性例 | 2,619 | 未報告 | データなし | |
疑い例 | 10,767 | 未報告 | データなし | |
総数 | 28,603 | 0 | 11,301 |
再集計、検査結果の利用状況によって変更される場合があります。
※2 現在行われているサーベイランスや、発症者、死亡者の再調査により、これらの数字は改訂される
可能性があります。
※3 シエラレオネは2015年11月7日にEVD流行の終息が宣言されており、現在は90日の高警戒期間に
入っています。
※4 ギニアは2015年12月29日にEVD流行の終息が宣言されており、現在は90日の高警戒期間に
入っています。
【出典】
WHO Ebola
Ebola Situation Report -17 February2016
http://apps.who.int/ebola/current-situation/ebola-situation-report-17-february-2016