(No.40)

ウルグアイにおけるデング熱
2016年2月25日更新

 ウルグアイの国際保健規則担当窓口(IHR NFP)はデング熱の症例汎アメリカ保健機構(PAHO)
および世界保健機関(WHO)に対し、デング熱感染1例を報告しました。
モンテビデオ在住の31歳女性です。2月5日に発熱と関節痛が出現し、9日に医療機関を受診し、同日中に
検体採取し検査を行いました。逆転写ポリメラーゼ連鎖反応による検査の結果、デング熱陽性でした。
患者は2日間入院し、軽快したため退院しました。患者に国外への渡航歴はありません。
確定検査のため検体は地域の研究施設に送られています。現在媒介蚊の調査は行っておりません。

公衆衛生上の取り組み
 ウルグアイの保健当局は曝露源を決定し、同地域に起こりうる追加例を確認するために疫学調査を実施して
います。さらに媒介蚊の制御活動を強化しています。

WHOのリスク評価
 もし診断確定すれば、本症例はウルグアイにおける最初のデング熱土着例になります。ウルグアイは
中央および南アメリカの数か国の中においてデング熱の発生例がなかった国のうちの1つです。本症例が
検出されたことで、ネッタイシマカが増殖するのに有利な環境が存在したことが証明されます。実際、
同国と隣接しているブラジルやアルゼンチンにおいて同疾患が流行しており、同国も感染流行する危険な
状況下にあります。媒介蚊であるヒトスジシマカは個人の車や配送トラックによって運ばれてくる可能性が
あります。ウルグアイにおいて、この手の蚊の増殖(ひいては疾患の蔓延化)を容易にするもう一つの
要因としてウルグアイ川の大規模な洪水があげられます。

WHOからのアドバイス
 媒介蚊の繁殖地と人間の居住地が近いことはデングウイルス感染の重要な危険因子となります。感染源の
削減(繁殖地の除去と変更)を介し蚊の繁殖を減らし、蚊とヒトの接触を減らすことが感染予防と制御に
繋がります。自然にまたは人工的に水が溜まり蚊の幼虫を養育する生息地を減らす、成虫した蚊の個体数を
減少させる、蚊帳の使用やドアや窓を閉める、長袖長ズボンの着用、忌避剤の使用し防護することで
達成されます。(主な媒介蚊である)ヒトスジシマカは日中ヒトを刺す蚊です。そのため日中、特に幼い
子どもや病気の高齢者は蚊帳の中で過ごし、防護するために殺虫剤を使用したりするよう推奨しています。


【出典】
WHO, Emergencies preparedness, response
Disease Outbreak News (DONs)
 Dengue Fever – Uruguay
 25 February 2016
http://www.who.int/csr/don/25-february-2016-dengue/en/