(No.41)

中国における鳥インフルエンザA(H7N9)について
2016年2月25日

 香港特別行政区(SAR)の保健省は、2016年2月23日、新たに鳥インフルエンザA(H7N9)の
ヒト感染が検査で確認されたことを世界保健機関(WHO)に対して報告しました。

 患者は60歳の男性で、中国香港SARの住民であり以前は健康状態に問題がなかったとのことです。
2月8日に患者は発症し、2月11日、民間病院の医師を受診しました。患者は、その後病院へ入院と
なりました。患者の鼻咽頭分泌物は2月12日に採取され、最初インフルエンザA陰性と検査で判定され
ました。2月15日、患者は退院しました。2月23日、2月12日に採取した検体の再検査を行った結果、
インフルエンザA(H7N9)陽性と判定されました。患者は隔離のため再入院となりましたが、現在の
ところ状態は落ち着いています。

 予備的な疫学調査によって、患者は中国江蘇省蘇州市で働いていたことが明らかになりました。患者は
中国香港SARへ2月5日に帰還しました。蘇州市に滞在中に自由市場を訪れていましたが、その潜伏期間中に
家禽へのいかなる直接接触をも否定しています。感染源の調査のため、保健省は中国衛生計画生育委員会と
連絡を取り合っています。

 現在利用可能な情報によると、この感染例は江蘇省で感染した可能性が高いと考えられます。保健省は
患者との濃厚接触者についての追跡調査を行っており、彼らに対してタミフルの予防投与のために処方が
行われる見込みです。2月22日、発熱を認めなかった患者の息子は咽頭痛を訴えたため、2月23日に経過観
察のため入院となりました。患者の妻は無症状です。調査は引き続き行われています。


【出典】
WHO, Emergencies preparedness, response.
 Human infection with avian influenza A(H7N9) virus – China
 25 February 2016
http://www.who.int/csr/don/25-february-2016-avian-influenza-china/en/