(No.42)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例(223)-サウジアラビア
2016年2月29日

 2016年2月1 日から2月16日までの間に、サウジアラビアの国際保健規則(IHR)担当窓口は世界保健機関
(WHO)に対して、死亡者3人を含め中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染確定例を新たに6人
報告しました。

症例の詳細情報
1. 80歳男性。Al-Kharj市の住民で2月6日に発症し2月13日に入院しました。患者には基礎疾患があり、
2月14日にMERS-CoV検査で陽性と判明しました。患者は2月16日に死亡しました。発症前14日以内に
おける既知の危険因子への曝露について、調査が引き続き行われています。

2. 75歳男性。Al-Kharj市の住民で2月8日に発症し2月10日に入院しました。患者には基礎疾患があり、
2月12日にMERS-CoV検査で陽性と判明し、同日死亡しました。患者にはラクダとの頻回の接触歴と生乳の
喫食歴がありました。発症前14日以内にその他の既知の危険因子への曝露はありません。農業省は報告を
受け、現在調査を行っています。

3. 34歳男性。Najran市の住民で、2月1日に発症し2月10日に入院しました。患者には基礎疾患がなく、
2月11日にMERS-CoV検査で陽性と判明し、同日死亡しました。調査によると、発症前14日以内における
既知の危険因子への明確な曝露歴はありません。

4. 41歳男性。Al-Kharj市の住民で2月3日に発症し2月10日に入院しました。患者には基礎疾患がなく、
2月11日にMERS-CoV検査で陽性と判明ました。現在のところ、患者の状態は落ち着いており、陰圧の
隔離室に入室しています。患者には、MERS-CoV検査で陽性と判明している患者(以下の症例6)との
接触歴があります。発症前14日以内にその他の既知の危険因子への曝露はありません。

5. 78歳男性。Taif市の住民で1月31日に発症し2月2日に入院しました。患者には基礎疾患があり、
2月3日にMERS-CoV検査で陽性と判明しました。現在のところ、患者の状態は落ち着いており、陰圧の
隔離室に入室しています。患者には、発症前14日以内にラクダの生乳の喫食歴がありましたが、その他の
既知の危険因子への曝露はありません。農業省は報告を受け、現在調査を行っています。

6. 43歳男性。サウジアラビア国籍を持たないRiyadh市の住民で、1月21日に発症しました。1月31日に
入院し、同日MERS-CoV検査で陽性と判明しました。患者には基礎疾患がありませんが、現在のところ
患者の状態は落ち着いており自宅で隔離されています。調査によると、発症前14日以内における既知の
危険因子への明確な曝露歴はありません。

 患者と接触歴がある家族や介護者の追跡調査が行われています。
 WHOには、2012年9月以降、全世界で 1,644人のMERS-CoV感染確定例が報告されており、
そのうち590人が関連死しています。

【出典】
WHO, Emergencies preparedness, response.
 Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – Saudi Arabia
 29 February 2016
http://www.who.int/csr/don/29-february-2016-mers-saudi-arabia/en/