(No.43)

トリニダード・トバゴにおけるジカウイルス感染症
2016年2月29日

 2016年2月18日、トリニダード・トバゴの国際保健規則(IHR)担当窓口は、同国において初めてとなる
ジカウイルス感染例が検査で確認されたことを汎アメリカ保健機構/世界保健機関(PAHO/WHO)に
報告しました。

 患者は61歳の女性で、2月10日に発熱と発疹が出現しました。2月13日に患者の血液検体が採取され、
2月17日にカリブ公衆衛生庁(CARPHA)の検査室で施行された逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)に
よって、ジカウイルス陽性が確認されました。

 患者は、ニュージーランドへの最近の渡航歴がありましたが、同国ではいかなる現地発症のジカウイル
感染例も報告されておりません。このことから、このトリニダード・トバゴでの感染例は現地を感染源と
するものと考えられます。

公衆衛生上の取り組み
 2015年5月におけるブラジルでのジカウイルス同定以来、トリニダード・トバゴ保健省は、同感染症に
対する知識と意識付けの促進のために公的な教育キャンペーンに取り組んできました。病気の拡散と戦う
ための鍵となる方法として、感染源を縮小させるような環境対策に強調が置かれています。医療関係者は、
この感染症の発見および適切な対応ができるように教育が行われています。昆虫を対象とした媒介生物駆除
部門は、環境サーベイランスと蚊撲滅プログラムの増強を行っています。

 保健省は、他国政府、民間部門および住民との連携を続け、感染源撲滅と適切な健康指向のための
取り組みを促進しようとしています。
 

【出典】
WHO, Emergencies preparedness, response.
 Zika virus infection – Trinidad and Tobago
 29 February 2016
http://www.who.int/csr/don/29-february-2016-zika-trinidad-and-tobago/en/