(No.56)

エボラ出血熱の流行状況(78)
平成28年3月16日更新

 2016年3月16日、世界保健機関(WHO)はエボラ出血熱(EVD)の流行状況を更新しました。
要約
• 今年1月14日にシエラレオネで報告されたEVD感染例2例と直接繋がりのあるヒト-ヒト感染は42日
経過した3月17日に終息する予定です。集団発生の最後の感染者は血液検体が連続する2回の(RT-PCR)
検査結果、陰性であったため退院しました。リベリアにおける最近のEVDのヒト-ヒト感染は今年1月14日
に終息宣言しました。ギニアでは去年の12月29日に終息が宣言され、90日間の強化監視期間が2016年3月
27日に終了予定です。

• WHOと加盟国からの指導により、ギニア、リベリア、シエラレオネの各保健省は推定10,000人以上の
生存者の健康を守るために必要不可欠なサービスパッケージを供給する計画があります。現在までに
リベリアにおける350人以上の男性の生存者は精液を使ったスクリーニング検査とカウンセリングサービス
を受けています。さらにシエラレオネにおける2,600人以上の生存者に一般的な健康診断と眼の検査を
行いました。

• EVDの再出現や再流行の危険性の残存を管理するために、WHOはギニア、リベリア、シエラレオネに
おいて、EVDと関連するかもしれない熱性疾患や死亡例を当局へ警告する強化監視システムの実施を支援
しています。3月13日までの週にギニアの全34県から1,611人が報告されています。全員が地域における
死亡例の報告でした。同時期にギニアの9つの検査機関において34県のうちの17県から370検体の新規検査
および再検査(うち17検体が生存している患者から、353検体が地域において死亡した者から)を行い
ました。リベリアにおいて全15群から663人が報告されています。それらのほとんど(544人)が生存して
いる患者と関連があります。リベリアの5つの検査機関において前週の921検体と比較して、595検体の
EVDの新規検査および再検査(399検体は生存している患者から、196検体は地域において死亡した者から)
を行いました。シエラレオネでは14の地域から1,494人が報告されています。大半(1,142人)が地域に
おける死亡例です。同時期にシエラレオネの7つの検査機関において952検体のEVDの新規検査および
再検査(19検体は生存している患者から、933検体は地域において死亡した者から)を行いました。

表1. ギニア、リベリア、シエラレオネにおけるEVD症例数と死亡者数
国名 症例定義 症例数 21日以内の
症例数
死亡者数
ギニア※4 確定例 3,351 - 2,083
可能性例 453 - 453
疑い例 0 - データなし
国別総数 3,804 - 2,536
リベリア 確定例 3,151 - データなし
可能性例 1,879 - データなし
疑い例 5,636 - データなし
国別総数 10,666 - 4,806
リベリア※2 確定例 9 0 3
可能性例 未報告 未報告 データなし
疑い例 未報告 未報告 データなし
国別総数 9 0 3
シエラレオネ※3 確定例 8,704 0 3,589
可能性例 287 未報告 208
疑い例 5,131 未報告 158
国別総数 14,122 0 3,955
シエラレオネ※5 確定例 2 0 1
可能性例 0 0 0
疑い例 0 0 0
国別総数 2 2 1
総数 確定例 15,217 0 データなし
可能性例 2,619 未報告 データなし
疑い例 10,767 未報告 データなし
総数 28,603 0 11,301
※ 表1のデータは、各国の保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は、再分類、
再集計、検査結果の利用状況によって変更される場合があります。
※2 現在行われているサーベイランスや、発症者、死亡者の再調査により、これらの数字は改訂される
可能性があります。
※3 シエラレオネは2015年11月7日にEVD流行の終息が宣言されており、現在は90日の高警戒期間に
入っています。
※4 ギニアは2015年12月29日にEVD流行の終息が宣言されており、現在は90日の高警戒期間に入って
います。

【出典】
WHO Ebola
Ebola Situation Report -16 March 2016
http://apps.who.int/ebola/current-situation/ebola-situation-report-16-march-2016