(No.71)

中国において黄熱患者の発生
2016年3月29日更新

 3月13日中国の国際保健規則(IHR)担当窓口は黄熱ウイルス感染の輸入例を1例報告しました。
患者は32歳の中国人男性でアンゴラのルアンダで働いていました。3月8日に発熱と悪寒があり、
ルアンダから中国へ帰国し3月10日に北京に到着しました。すぐに北京の病院へ入院し、11日
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査において黄熱ウイルス陽性でした。12日中国CDCにより診断確定
されました。現在患者は肝不全と腎不全により危篤状態です。患者は症状出現前の黄熱の予防接種歴は
ありません。

公衆衛生上の取り組み
 中国政府はサーベイランスと媒介蚊の監視の強化、媒介蚊の駆除、リスクコミュニケーション活動を
実行しています。

WHOのリスク評価
 本症例は中国における黄熱の輸入第1例目になります。媒介能力のあるネッタイシマカが北京において
活動時期でないこと、現在の気温(10℃前後)は媒介蚊の繁殖には不都合であることから、感染拡大の
リスクは最小限であると考えられます。

WHOからのアドバイス
 同疾患に対する免疫のない渡航者が予防接種を強制している国へ渡航し感染したという報告から、
国際保健規則(2005)に従って予防接種の要件の実施を強化する必要性を強調しています。(主な媒介蚊
であるネッタイシマカがいる)地域において感染伝播サイクルの確立は可能なため、全ての潜在的な
流行地域への渡航者に対し免疫状態の管理を強化することをWHOは加盟国に特に促しています。

【出典】
Emergencies preparedness, response
Yellow Fever – China
Disease Outbreak News
29 March 2016
http://www.who.int/csr/don/29-march-2016-yellow-fever-china/en/