(No.90)

バーレーンにおける中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染例の報告
2016年4月25日

 2016年4月10日バーレーンの国際保健規則(IHR)担当窓口は世界保健機関(WHO)に対して、同国では
初めてとなる中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染患者を報告しました。

症例の詳細は下の通りです。

 61歳男性です。サウジアラビア人で他疾患のためにバーレーンの医療施設に入院しました。同国では
サウジアラビアからの渡航者にルーチンでMERS-CoVの検査を実施しており、患者はその際の結果は陰性
でした。4月4日入院中に発症し、9日にMERS-CoV陽性となりました。患者には基礎疾患があります。
患者はサウジアラビアでヒトコブラクダを所有しており、頻繁に接触する機会があり、またラクダの生乳の
喫飲歴があります。発症前に他の既知の危険因子への曝露歴はありません。確定診断3日後サウジアラビアの
ダンマーム(Dammam)市の病院に転院となりましたが同日死亡しました。
 サウジアラビアのIHR担当窓口は連絡をうけ、家庭や医療機関での接触者の調査を実施しています。
農業省はラクダの調査も実施しています。
 WHOには2012年9月以降、全世界で1,725人のMERS-CoV感染確定例が報告されており、そのうち624人
が関連死しています。

【出典】
Emergencies preparedness, response
Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – Bahrain
Disease outbreak news
25 April 2016
http://www.who.int/csr/don/25-april-2016-mers-bahrain/en/