(No.93)

ドイツにおけるラッサ熱
2016年4月27日更新

 2016年4月20日、ドイツの国際保健規則(IHR)担当窓口は、世界保健機関(WHO)に対して、同国内
において以前報告されていたラッサ熱感染者が完全に回復し、フランクフルトの病院から退院したことを
報告しました。二次感染例となるこの感染者は、葬儀場の従業員で、3月2日に一次感染例の死体を扱う
仕事に従事していました(DON3月23日更新情報〈関空HP:海外感染症情報2016 No.64〉をご参照
下さい)。

 患者は、全ての接触者が21日間の追跡調査期間を終了する4月6日までに回復しましたが、ウイルス血症
が持続していたため退院が延期されました。この患者は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法で2回連続して
陰性であることが確認された後に退院しました。検査は24時間間隔で、血液、尿、咽頭スワブに対して
施行されました。

公衆衛生上の取り組み
 現在の情報を踏まえますと、ドイツにおけるラッサ熱の二次感染の更なる危険性はありません。ラッサ熱
感染例は、西アフリカから帰還した旅行者の間で報告されています。西アフリカのラッサ熱浸淫地域から
非浸淫地域へ、旅行者によって同疾患が蔓延させられる危険性は極めて低いです。

WHOからのアドバイス
 WHOは、入手可能な情報を踏まえますと、ドイツに対するいかなる旅行や貿易の制限をも推奨しません。

【出典】
WHO, Emergencies preparedness, response.
Lassa Fever – Germany
27 April 2016
http://www.who.int/csr/don/27-april-2016-lassa-fever-germany/en/