(No.17)

トーゴにおける髄膜炎菌性髄膜炎の流行
2017年2月22日更新

 2017年1月1日からトーゴの19の保健行政区から201人の髄膜炎疑い例、うち17人が死亡したことが世界保健機関(WHO)に報告されています。今年の第2週に同国フラトー州のアケブ(Akebu)地域において同症例が4人報告された後、警報が発令されました。第4週に9人が報告され、罹患率が10万人中12.4人になり流行閾値に達しました。1月2日から2月12日までに48人の疑い例、うち3人が死亡したことが報告されています(死亡率6.3%)。これらの症例のうち14検体においてPCR検査により髄膜炎菌血清型W群が同定されています。

 2014年12月からフラトー州と他3州において大規模予防接種キャンペーンにより結合型髄膜炎菌性髄膜炎ワクチン(MenAfriVac ®)の給付を受けていました。
 同国はアフリカの髄膜炎ベルトの一部で毎年髄膜炎の患者と死者が記録されています。2016年に同国北部で髄膜炎菌血清型W群の流行が記録されており、1975人の患者、うち127人が死亡したことが報告されています。

公衆衛生上の取り組み
この流行に対応するために以下の措置を実施しています。

・ 予防接種キャンペーンを計画し、ワクチン接種対策の国際調整団体(ICG)から56,000回分の髄膜炎菌性
 髄膜炎のワクチンを要求されています。
・ 流行を制御するためにWHOのフィールドミッションが配置されました。
・ 県ごとに髄膜炎のサーベイランスを強化しています
・ 県ごとに臨床医に症例管理のトレーニングを行っています。
・ ガーナとベニンの国境を越えて会議を行っています。

WHOのリスク評価
 髄膜炎菌性疾患の最大の悩みがアフリカの髄膜炎ベルトで起こっています。髄膜炎菌血清型A群の結合型ワクチン製品の投入の結果、A群の発生傾向は減少しましたが、結果的に他の血清型の流行が見られます。同国で発生したこのW群の発生報告により髄膜炎疾患の疫学の変化を詳細に監視する必要があります。さらに世界規模でのワクチンの備蓄が利用可能であること、検査室や疫学的監視システムの強化、各国が流行に対する対応を持ち合わせていることが必要です。
WHOからのアドバイス
 この流行への対応は集団ワクチン接種を含めた迅速かつ適切な症例管理、髄膜炎の監視の強化からなります。

【出典】
Emergencies preparedness, response
Meningococcal disease – Togo
Disease outbreak news
23 February 2017
http://www.who.int/csr/don/23-february-2017-meningococcal-disease-togo/en/