(No.28)

髄膜炎菌感染症-ナイジェリア
2017年3月24日更新

 2017年3月19日(第11週)現在、2016年12月以降ナイジェリアの5州のうち40の地方行政区域(LGAs)
から211人の死亡者(致死率15%)を含む合計1,407人の髄膜炎疑い患者が報告されました。ザンファラ州、
カツィナ州、ソコト州の3州で患者の89%を占めています。第11週だけで5州全ての26の LGAsから361人が報告されました。15の LGAsのうち22小区画は流行地域を超えました。うち3つの LGAsはニジェールとの
国境に近接しています。C群髄膜炎菌(NmC)は、今回のアウトブレイクの主な血清型です。

 最も影響を受けた年齢層は5歳から14歳で、報告例の約半分を占めます。男女ともほぼ同等に影響をうけています。

公衆衛生上の取り組み
 世界保健機関(WHO)と、National Primary health Care Development Authority、国連児童基金(UNICEF)、Nigeria Field Epidemiology and Laboratory training Program、eHealth Africa、国境なき医師団(Médecins Sans Frontières)、国際ロータリー(Rotary International)とナイジェリアの疾病
管理予防センター(CDC)を含むパートナーが今回のアウトブレイクに対して支援しています。

実施されている対策は以下の通りです:
・ナイジェリアのCDCはWHOからの支援と共に国家レベルでの対応を調整しながら全体的な指揮を執って
 います。
・毎日の調整会議は州とLGAレベルで行われています。
・即時対応チームはアクティブな症例の発見、疑い症例に対する腰椎穿刺の実施、症例管理に関する現地
 スタッフの訓練を実施しています。
・症例管理はLGAレベルにおける保健所で実施しています。
・ザンファラ州のGora区で19,600人が髄膜炎菌ACWYワクチン接種を受けました。
・国際調整グループ(ICG)は2017年3月27日に到着する予定の50万本の髄膜炎菌ACPCワクチンと注射器が
 ザンファラ州で使用することを承認しました。
・カツィナ州はICGへの提出に備えた要請を準備しています。

WHOのリスク評価
 髄膜炎菌血清型A群結合型ワクチンの効果的な導入によりA群の発生は減少しましたが、他の血清型は依然として流行を引き起こしています。トーゴで報告された直近のアウトブレイクは髄膜炎菌血清型W群による
ものです。(関西空港検疫所海外感染症情報2017年2月22日更新情報を参照下さい)

WHOからのアドバイス
 アウトブレイクへの対応は、集団ワクチン接種を含めた適切な症例管理からなります。迅速な対応キャンペーンが重要で、流行開始から4週間以内が理想的です。
 WHOは、ナイジェリアに対する、現在の情報に基づいたいかなる旅行や貿易の制限を推奨しません。

【出典】
Emergencies preparedness, response
Disease Outbreak News (DONs)
Meningococcal disease – Nigeria
Disease outbreak news
24 March 2017
http://www.who.int/csr/don/24-march-2017-meningococcal-disease-nigeria/en/