(No.34)

ブラジルにおける黄熱
2017年4月4日更新

 ブラジルの黄熱の現況に関連して国際間の渡航者に推奨される黄熱ワクチン接種についての最新情報です。

 以下は2017年1月27日、3月6日、3月20日のDisease Outbreak Newsおよび2017年1月31日、2月14日、3月6日、3月17日にWHO International Travel and Healthのウェブサイトに揭載された世界保健機関(WHO)のアドバイスの更新情報です。
 
 2017年4月3日現在、黄熱ウイルスの伝播は、黄熱のリスクマップ(GRYF)に関する科学的、技術顧問団によって確認されWHOによって公表されたリスク評価に先行して、これまでリスクはないとされていたブラジルの大西洋沿岸部まで拡大しています。

 2017年4月3日現在、動物あるいはヒトにおける黄熱感染例の調査はサルバドールの市街地を含むバイア州の北部沿岸地域で行われており、動物における黄熱の流行はフェイラデサンタナの自治体においても確認されています。サンパウロ州のカンピナスの近郊では動物における流行が観察されており、さらに同地域における他の動物の流行について調査中です。リオデジャネイロ州ではリオデジャネイロ市およびニテロイ市の市街地近くで動物における流行の調査中です。これらの報告からエスピリトサント州およびミナスジェライス州と接するバイア州の南部やサンパウロ州、リオデジャネイロ州においても熱帯、亜熱帯林が存在するという共通の生態系を有する特徴から黄熱の活動が活発化していると考えるのが妥当です。2017年4月3日現在、黄熱の都市型サイクルを形成する媒介蚊であるネッタイシマカによるヒトの黄熱感染例が発生したという証拠はありません。

 以上からWHOの事務局はバイア州、リオデジャネイロ州、サンパウロ州の以下の地域を黄熱伝播の危険性がある地域と見なしています。
(地域の詳細については下記のURLより、検索ください。)

 結論として、リオデジャネイロ州、サンパウロ州の上記地域を訪れる海外渡航者は黄熱ワクチンの接種が
推奨されます。黄熱のワクチン接種をするかどうかについて個人が判断する際のワクチンのリスク・ベネフィットの情報以外に黄熱のリスクのある訪問予定地においてどのような行動をとるのかについても勘案する必要があります。
 ブラジルの他の地域については2013年に決定された黄熱の感染リスクのある地域に関して、2017年1月27日、3月6日、3月20日に発行されたWHO の the Disease Outbreak Newsと同様であり、さらに付け加えるべき変更点はありません。

 黄熱の感染リスクを考慮すべき新たな地域の決定については現在作業が進行中であり、定期的に更新情報が提供される予定です。

 ブラジルのリスクがある地域へ渡航する人に対するWHO事務局最新のアドバイスは以下の通りです。
・渡航の少なくとも10日前には黄熱のワクチン接種をしていること。国際保健規則(2005)の附則7に記載
 されている通り、WHOによって承認された黄熱ワクチンの単回接種は、黄熱に対する持続性免疫および
 一生涯の防御能を得るには十分です。黄熱ワクチン接種の禁忌者(9ヶ月未満の乳幼児、妊婦および授乳
 中の女性、卵アレルギーのある者、重度の免疫機能不全のある者)または60歳以上の者は医療従事者から
 以下のアドバイスを受けることをお勧めいたします。
・蚊に刺されるのを予防するための対策
・黄熱の症状や予兆に注意を払う
・黄熱の流行がある地域へ渡航した際または帰国した際に黄熱の症状や予兆があった場合、すぐに医療機関
 に受診できるようにしておく
 2017年における黄熱に対する予防接種または予防薬の投与を受けた証明書の要求条件の最新情報はWHOのInternational Travel and Healthのウェブサイトから附則1と国別のリストが入手できます。さらにアメリカ地域の加盟国が実施する黄熱に対する国際予防接種証明書に関する要求条件の情報は、PAHOの黄熱に関するウェブサイトから入手できます。

【出典】Yellow fever – Brazil 
Disease outbreak news
4 April 2017
http://www.who.int/csr/don/04-april-2017-yellow-fever-brazil/en/