(No.35)

中国における鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例
2017年4月18日更新

 2017年4月7日、中国の国家衛生・計画出産委員会(NHFPC)は世界保健機関(WHO)に対し、同国本土において新たに合計14人の鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例が検査で確認されたことを報告しました。

症例の詳細情報
 発症日は2017年3月14日から4月4日の範囲です。この14人の感染例のうち4人が女性でした。年齢は38歳から70歳で中央値は55歳でした。症例は次の地域から報告されています;北京市(3人)、重慶市(1人)、福建省(1人)、貴州省(1人)、河南省(1人)、湖南省(2人)、江蘇省(2人)、山東省(1人)、
チベット自治区(1人)、浙江省(1人)です。チベット自治区において初めて同疾患が報告されました。
 報告時点で1人が死亡し、13人が肺炎(5人)か重症肺炎(8人)のいずれかの診断を受けています。13人が家禽か生鳥市場への曝露歴があると報告されており、1人については家禽の曝露歴が否定されています。
また集団感染例が1人報告されており、詳細は以下の通りです。
・北京市在住の52歳の男性は4月1日に発症し5日に入院しました。報告時点では患者は肺炎に罹患していま
 した。患者は路上販売で購入した家禽からの曝露歴がありました。
・北京市在住の66歳の男性も4月1日に発症し5日に入院しました。報告時点では患者は重症肺炎でした。
 この患者は52歳男性患者の兄弟で、この患者もまた路上販売で購入した家禽からの曝露歴がありました。
2013年初頭以来、現在までに鳥インフルエンザA(H7N9)の確定診断患者が合計1,378人報告されています。

公衆衛生上の取り組み
 2016年12月以来のヒト感染例の増加を考慮し、中国政府は国家レベルと地方レベルで以下のような強化策を講じています。
・生鳥市場の管理と地域間輸送に焦点を絞った感染対策の強化を継続しています。
・全ての省において同疾患を警戒し、感染制御と感染予防を完璧に実施するように要請しています。
・流行地域において感染制御や感染予防の強化のための指導を行っています。
・自己防衛の指導と共にリスクコミュニケーションや情報を一般市民に提供しています。
・感染制御や感染予防の指導を規定するために、ウイルスによる汚染範囲やウイルスの変異の規模を明らか
 にし、遡り調査や病原体サーベイランスの強化を行います。

【出典】
Emergencies preparedness, response
Human infection with avian influenza A(H7N9) virus – China
Disease outbreak news   18 April 2017
http://www.who.int/csr/don/18-april-2017-ah7n9-china/en/