(No.36)

中国における鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例
2017年4月20日更新

 2017年4月14日、中国の国家衛生・計画出産委員会(NHFPC)は世界保健機関(WHO)に対し、同国本土において新たに合計15人の鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例が検査で確認されたことを報告しました。

症例の詳細情報
 発症日は2017年3月27日から4月11日の範囲です。この15人の感染例のうち3人が女性でした。年齢は39歳から81歳で中央値は58歳でした。症例は次の地域から報告されています;安徽省(1人)、北京市(1人)、甘粛省(1人)、河南省(2人)、湖南省(1人)、山東省(2人)、四川省(3人)、天津市(1人)、チベット
自治区(2人)、浙江省(1人)です。チベット自治区において同疾患が初めて報告されました。(以前は2016年6月に同自治区からWHOに2人報告されています)
 報告時点で11人の病状の情報があり、2人が死亡し、8人が肺炎(1人)か重症肺炎(7人)、1人が軽症のいずれかの診断を受けています。12人が家禽か生鳥市場への曝露歴があると報告されており、1人については以前、同ウイルスが検出された路上販売店の近くで売られていた家禽からの曝露歴があります。他2人に
ついては家禽の曝露歴に関する情報がありませんでした。
 また集団感染例が1人報告されており、詳細は以下の通りです。
・チベット自治区ラサ在住の39歳の男性で3月28日に発症し、4月1日に入院しました。この患者は重症肺炎
 に罹患しており、18日時点においてまだ入院中です。生長市場で働いており、生きた家禽の屠殺と販売に
 携わっておりました。
・同じくラサ在住の41歳の男性で4月8日にWHOに報告されています。3月27日に発症し、4月1日に入院
 しました、この患者の報告時点における病状は重症肺炎で、18日時点においてまだ入院中です。この患者
 は39歳男性の患者と同じ露店で働いており、生きた家禽の屠殺と販売に携わっておりました。
 2013年初頭以来、現在までにIHRを通じて鳥インフルエンザA(H7N9)の確定診断患者が合計1,393人報告されています。

【出典】
Emergencies preparedness, response
Human infection with avian influenza A(H7N9) virus – China
Disease outbreak news   20 April 2017
http://www.who.int/csr/don/20-april-2017-ah7n9-china/en/