(No.52)

伝播型ワクチン由来ポリオウイルス2型ーコンゴ民主共和国
6月14日更新

 コンゴ民主共和国(DRC)において、二つの別な2型の伝播型ワクチン由来ポリオウイルス(cVDPV2)が確認されました。最初のcVDPV2株は、麻痺の発症が2017年2月20日と3月8日である急性弛緩性麻痺(AFP)患者2人から分離されました。二番目のcVDPV2株はマニエマ州の2例のAFP(麻痺の発症が2017年4月18日と5月8日)とコミュニティの健康な接触者から分離されました。

公衆衛生上の取り組み
 世界保健機構(WHO)と世界ポリオ根絶推進活動(GPEI)のパートナーに支援された保健省は住民の免疫状態とさらなる感染拡大のリスクの評価を含めて、リスク評価を完了しました。
 アウトブレイク対応の計画は、現在完成間近であり、さらなるAFP症例の能動的症例調査を含むサーベイランスと国際的に合意されたアウトブレイク対応プロトコールに則った単価の2型経口ポリオワクチン(mOPV2)の追加接種活動から成っています。
 サーベイランスと予防接種活動は近隣諸国でも強化されています。

WHOのリスク評価
 WHOは、国内におけるこれらのウイルス株のさらなる拡散を高リスク、そして国際的な拡散を中等度のリスクとして評価しています。
 cVDPV2の検出は、リスクと結果としてのポリオウイルスの伝播を最小化するために、高いレベルで定期予防接種を維持することが重要性であることを強調しています。また、これらの事象が、何らかの低レベルのウイルス伝播によって露わになったリスクを強調しています。感染伝播を迅速に止め、将来の同様のアウトブレイクを防止するために感染地域の十分な予防接種率を確保するという確実なアウトブレイク対応が、まず手始めに必要とされています。WHOは、疫学的状況と実施されるアウトブレイク対応方法の評価を続けていきます。

WHOからのアドバイス
 全ての国、とくにポリオ流行国や地域に頻回に渡航したり接触したりする国々は、どのような新たなウイルスの輸入であっても迅速に検出し、迅速な対応を容易にするために、サーベイランスを強化することは重要です。国、領土と地域は、また、どのような新しいウイルスの侵入も最小化するために地区レベルでの定期予防接種率を一律に高く維持するべきです。
 WHOの「国際旅行と健康」は、ポリオ流行地への全ての旅行者に対してポリオに対して完全に予防接種されることを勧告しています。感染している地域からの居住者(そして4週間を超えて滞在する訪問者)は、旅行に先立つ4週間から12ヶ月の間に、1回のOPVまたはIPVの追加接種を受けるべきです。国際保健規則(2005年)の下に招集された緊急委員会のアドバイスとして、ポリオウイルスの国際的な拡散を制限する努力が、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」として残っています。ポリオウイルスの伝播が起きている国は「一時的な勧告」の対象となります。「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の下に発行された「一時的な勧告」に従って、ポリオウイルスに感染したいかなる国もアウトブレイクを国の公衆衛生非常事態として宣言し、全ての国際的な旅行者の予防接種を考慮すべきです。

【出典】
Circulating vaccine-derived poliovirus type 2-Syrian Arab Republic
WHO Disease outbreak news
13 June 2017
http://www.who.int/csr/don/13-June-2017-polio-drc/en/