中国における鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例
6月29日更新
2017年6月2日、中国の国家衛生・計画出産委員会(NHFPC)は世界保健機関（WHO）に対し、同国本土において新たに合計9人の鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例が検査で確認されたことを報告しました。
2017年6月9日、NHFPCはWHOに同国本土においてさらに12人の鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例が検査で確認されたことを報告しました。
症例の詳細情報
2017年6月2日、NHFPCは合計9人の鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例を報告しました。発症日は2017年5月12日から5月29日の範囲です。この9人の感染例のうち3人が女性でした。年齢は35歳から67歳で中央値は56歳でした。症例は次の地域から報告されています；安徽省（1人）、北京市(1人)、広西チワン族自治区（1人）、河北省（1人）、湖北省（1人）、陝西省 (1人)、山東省（2人）、四川省（1人）です。
報告時点で１人が死亡し、7人が肺炎（4人）か重症肺炎（3人）のいずれかの診断を受けています。8人が家禽か生鳥市場への曝露歴があり、1人は家禽への曝露歴に関する情報がありませんでした。集団発生の報告はありません。
2017年6月9日、NHFPCは新たに合計12人の鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例をWHOに報告しました。発症日は2017年5月20日から6月3日の範囲です。4人の感染例が女性でした。年齢は4歳から68歳で中央値は40.5歳でした。症例は次の地域から報告されています；安徽省（2人）、北京市(3人)、重慶市(2人)、河南省（2人）、江蘇省（1人）、陝西省（1人）、山東省（1人）です。
報告時点で死亡例はなく、10人が肺炎（4人）か重症肺炎（6人）のいずれかの診断を受けています。9人が家禽か生鳥市場への曝露歴があり、2人は家禽への曝露歴に関する情報がありませんでした。1人は現在調査中です。
陝西省で集団発生が報告されています。68歳の男性が2017年5月23日に発症し、その配偶者（67歳、5月26日発症、6月2日に報告され、上記の中に含まれています）の感染による集団発生です。2人ともに内モンゴル自治区の市場で購入し、自宅で飼っていた鶏との接触歴があります。何羽かの鶏は購入後まもなく死亡し、また夫婦で他の鶏を捌いています。これが内モンゴル自治区は鳥インフルエンザA(H7N9)に曝露されているであろうという初めての報告になります。同地域では最近初めて同ウイルスが鳥市場でのサンプリングで見つかっています。
公衆衛生上の取り組み
中国政府は国家レベルと地方レベルで以下のような強化策を講じています。
・リスク評価、予防および対策強化のためのガイダンスを継続しています。
・生鳥市場の管理と地域間輸送に焦点を絞った感染対策の強化を継続しています。
・効果的な予防と管理の対策を提供するため詳細な感染源調査を実施します。
・致死率を下げるために鳥インフルエンザA(H7N9）のヒト感染例の早期発見と治療を継続します。
・自己防衛の指導と共にリスクコミュニケーションや情報を一般市民に継続して提供しています。
・感染予防や感染制御のさらなる指導を提供するために、ウイルスによる汚染範囲やウイルスの変異の規模を
明らかにし、ウイルス学的サーベイランスの強化を行います。
WHOによるリスク評価
2016年10月1日以来に発症した5番目の鳥インフルエンザA（H7N9）の流行におけるヒト感染例の総数は、流行早期のヒト感染例数と比較してもより多くなっています。これはウイルスが拡大していることを示唆しており、ヒトと動物の両方の保健分野においてさらに強化したサーベイランスと制御方法が重要であることを強調しています。
疫学的な発生状況曲線からすれば、週単位で見ると患者の報告数は2月をピークに徐々に減少しています。今年の患者数のピークは過去のにおける患者数のピークのタイミングに対応しています。ほとんどのヒト感染例は、生鳥市場への曝露を含む、感染した家禽あるいは汚染された環境を通じて、鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスに曝露されています。ウイルスは引き続き動物や環境から検出されており、生きた家禽の販売が引き続き行われていることから、更なるヒト感染例の発生が予測されます。
同じ病棟の患者間などの上記事例を含む、鳥インフルエンザA(H7N9)のヒトにおける小規模な集団感染事例が報告されていますが、現在の疫学的およびウイルス学的な証拠より、このウイルスはヒトの間で持続的に感染伝播する能力を獲得していないことが示されています。そのため、コミュニティレベルにおける更なる感染拡散の可能性は低いと考えられます。
疫学的状況の緊密な観察や、最近のヒトウイルスの特徴を更に明らかにすることは、関連する危険性を分析し適時に危機管理手段を適応させていくために大変重要です。
【出典】Emergencies preparedness, response
Human infection with avian influenza A(H7N9) virus – China
Disease outbreak news 28 June 2017
http://www.who.int/csr/don/28-june-2017-ah7n9-china/en/
2017年6月9日、NHFPCはWHOに同国本土においてさらに12人の鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例が検査で確認されたことを報告しました。
症例の詳細情報
2017年6月2日、NHFPCは合計9人の鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例を報告しました。発症日は2017年5月12日から5月29日の範囲です。この9人の感染例のうち3人が女性でした。年齢は35歳から67歳で中央値は56歳でした。症例は次の地域から報告されています；安徽省（1人）、北京市(1人)、広西チワン族自治区（1人）、河北省（1人）、湖北省（1人）、陝西省 (1人)、山東省（2人）、四川省（1人）です。
報告時点で１人が死亡し、7人が肺炎（4人）か重症肺炎（3人）のいずれかの診断を受けています。8人が家禽か生鳥市場への曝露歴があり、1人は家禽への曝露歴に関する情報がありませんでした。集団発生の報告はありません。
2017年6月9日、NHFPCは新たに合計12人の鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例をWHOに報告しました。発症日は2017年5月20日から6月3日の範囲です。4人の感染例が女性でした。年齢は4歳から68歳で中央値は40.5歳でした。症例は次の地域から報告されています；安徽省（2人）、北京市(3人)、重慶市(2人)、河南省（2人）、江蘇省（1人）、陝西省（1人）、山東省（1人）です。
報告時点で死亡例はなく、10人が肺炎（4人）か重症肺炎（6人）のいずれかの診断を受けています。9人が家禽か生鳥市場への曝露歴があり、2人は家禽への曝露歴に関する情報がありませんでした。1人は現在調査中です。
陝西省で集団発生が報告されています。68歳の男性が2017年5月23日に発症し、その配偶者（67歳、5月26日発症、6月2日に報告され、上記の中に含まれています）の感染による集団発生です。2人ともに内モンゴル自治区の市場で購入し、自宅で飼っていた鶏との接触歴があります。何羽かの鶏は購入後まもなく死亡し、また夫婦で他の鶏を捌いています。これが内モンゴル自治区は鳥インフルエンザA(H7N9)に曝露されているであろうという初めての報告になります。同地域では最近初めて同ウイルスが鳥市場でのサンプリングで見つかっています。
公衆衛生上の取り組み
中国政府は国家レベルと地方レベルで以下のような強化策を講じています。
・リスク評価、予防および対策強化のためのガイダンスを継続しています。
・生鳥市場の管理と地域間輸送に焦点を絞った感染対策の強化を継続しています。
・効果的な予防と管理の対策を提供するため詳細な感染源調査を実施します。
・致死率を下げるために鳥インフルエンザA(H7N9）のヒト感染例の早期発見と治療を継続します。
・自己防衛の指導と共にリスクコミュニケーションや情報を一般市民に継続して提供しています。
・感染予防や感染制御のさらなる指導を提供するために、ウイルスによる汚染範囲やウイルスの変異の規模を
明らかにし、ウイルス学的サーベイランスの強化を行います。
WHOによるリスク評価
2016年10月1日以来に発症した5番目の鳥インフルエンザA（H7N9）の流行におけるヒト感染例の総数は、流行早期のヒト感染例数と比較してもより多くなっています。これはウイルスが拡大していることを示唆しており、ヒトと動物の両方の保健分野においてさらに強化したサーベイランスと制御方法が重要であることを強調しています。
疫学的な発生状況曲線からすれば、週単位で見ると患者の報告数は2月をピークに徐々に減少しています。今年の患者数のピークは過去のにおける患者数のピークのタイミングに対応しています。ほとんどのヒト感染例は、生鳥市場への曝露を含む、感染した家禽あるいは汚染された環境を通じて、鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスに曝露されています。ウイルスは引き続き動物や環境から検出されており、生きた家禽の販売が引き続き行われていることから、更なるヒト感染例の発生が予測されます。
同じ病棟の患者間などの上記事例を含む、鳥インフルエンザA(H7N9)のヒトにおける小規模な集団感染事例が報告されていますが、現在の疫学的およびウイルス学的な証拠より、このウイルスはヒトの間で持続的に感染伝播する能力を獲得していないことが示されています。そのため、コミュニティレベルにおける更なる感染拡散の可能性は低いと考えられます。
疫学的状況の緊密な観察や、最近のヒトウイルスの特徴を更に明らかにすることは、関連する危険性を分析し適時に危機管理手段を適応させていくために大変重要です。
【出典】Emergencies preparedness, response
Human infection with avian influenza A(H7N9) virus – China
Disease outbreak news 28 June 2017
http://www.who.int/csr/don/28-june-2017-ah7n9-china/en/