(No.6)

国際旅行と健康
ブラジルにおける現在の黄熱の流行状況に関連して、
国際旅行者に対する黄熱ワクチン接種上の推奨事項の情報更新

1月26日更新

 

 国際旅行者のための情報

 2018年1月16日

 これは、2017年1月27日、3月6日、3月20日、4月4日、11月24日に世界保健機関(WHO)の疾病アウトブレイク・ニュース(Disease Outbreak News)に掲載され、そしてWHO国際旅行と健康のウェブサイトでは、2017年1月31日、2017年2月14日、2017年3月6日、2017年3月17日、2017年4月4日に掲載されたWHOの黄熱の流行に関する助言の更新です。

 2016年12月以来、ブラジルでは黄熱ウイルスの活動が急激に高まっています。2016年12月1日から2017年6月30日までに、ヒト以外の霊長類での動物感染が1,659件、21州において届出されました。感染地は、Alagoas(アラゴアス)、Amazonas(アマゾナス)、Bahis(バイーア)、Goiás(ゴイアス)、Espírito Santo(エスピリト・サント)、Mato Grosso(マット・グロッソ)、Mato Grosso do Sul(マット・グロッソ・ド・スール)、Minas Gerais(ミナス・ジェライス)、Pará(パラ)、Paraíba(パライバ)、Paraná(パラナ)、Pernambuco(ペルナンブコ)、Rio Grande do Norte(リオ・グランデ・ド・ノルテ)、Rio Grande do Sul(リオ・グランデ・ド・スール)、Rio de Janeiro(リオ・デ・ジャネイロ)、Rondônia(ロンドニア)、Roraima(ロライマ)、Santa Catarina(サンタ・カタリーナ)、São Paulo(サン・パウロ)、Sergipe(セルジッペ)、Tocantins(トカンティンス)、及び連邦直轄区に及んでおり、連邦直轄区と8州(エスピリト・サント、ゴイアス、マット・グロッソ、ミナス・ジェライス、パラ、リオ・デ・ジャネイロ、サン・パウロ、トカンティンス)では、死亡者261人を含む、合計777人の感染例が報告されました。ブラジル政府は、2017年9月9日に、季節性の黄熱ウイルスの活動は沈静化したことを宣言しました。

 南半球の2017年の冬シーズンの後、再び、黄熱ウイルスの活動の増加が観察されました。2017年7月1日から2018年1月8日までに、黄熱ウイルス感染が、358件のヒト以外の霊長類における動物感染として確認されました。マット・グロッソ・ド・スール(動物症例の0.3%)、ミナス・ジェライス(同9%)、リオ・デ・ジャネイロ(同0.7%)、サン・パウロ(同90%)が黄熱陽性でした。 2018年1月8日現在、17州(アラゴアス、バイーア、ゴイアス、エスピリト・サント、マット・グロッソ、マット・グロッソ・ド・スール、ミナス・ジェライス、パラ、パラナ、ペルナンブコ、リオ・グランデ・ド・ノルテ、リオ・グランデ・ド・スール、リオ・デ・ジャネイロ、サンタ・カタリーナ、サン・パウロ、セルジッペ、トカンティンスなど)と連邦直轄区において、687例の動物感染が調査中です。同じ期間に、死亡者4人を含めて、患者11人から黄熱ウイルスへの感染が検査で確認されました。確認された州は、ミナス・ジェライス州(死亡者1人)、リオ・デ・ジャネイロ州(1人)、サン・パウロ州(8人、死亡者2人)、および連邦直轄区(死亡者1人)でした。2018年1月8日現在、15州(バイーア、ゴイアス、エスピリト・サント、マット・グロッソ・ド・スール、ミナス・ジェライス、パラ、パライバ、パラナ、ペルナンブコ、Piauì(ピアウイー)、リオ・グランデ・ド・ノルテ、リオ・グランデ・ド・スール、サンタ・カタリーナ、サン・パウロ、トカンティンス)と連邦直轄地で、新たな患者92人に検査が行われています。

 WHO事務局は、サン・パウロ州全体で黄熱ウイルスの活動レベルの高まりがみられることを踏まえて、これまでに更新された事項に記載されている領域に加えて、サン・パウロ州全体を黄熱のリスクのある地域として考慮する必要があると判断しました。

 その結果、サン・パウロ州では、どの地域を訪れる国際旅行者にも、黄熱に対するワクチン接種が推奨されます。

 現在、黄熱の伝播のリスクがあると考えられる新たな地域の確定作業が行われており、更新情報は定期的に提供される予定です。

 ブラジルでリスクのあるとみられる地域に行く国際旅行者に向けたWHO事務局からの現在のアドバイスは、次のとおりです。

Ÿ 少なくとも旅行の10日前には、黄熱に対する予防接種を受けること。国際保健規則(2005年)の附則7に記載されているように、WHOによって承認された黄熱ワクチンの単回投与量で、十分の終生免疫を得られ、黄熱に対し生涯にわたって予防します。黄熱ワクチン接種が禁忌(9か月未満の乳児、妊娠中または授乳中の女性、卵アレルギーのある人、重度の免疫不全症候群の人)または60歳以上の旅行者は、自身の健康を管理する専門家からアドバイスを受けておく必要があります。
Ÿ 蚊に刺さされることを避けるための対策をとること。
Ÿ 黄熱の症状や徴候を知っておくこと。
Ÿ 黄熱の伝染のリスクのある地域での旅行中と帰国後に、黄熱の症状や徴候があった場合には、(直ちに)受診すること。

 WHO国際旅行健康ウェブサイト(附則1および国別リスト)では、2017年において、黄熱の予防やワクチンの接種を証明する国際予防接種証明書に関する各国の要件の更新情報と国際旅行者のための予防接種推奨事項を観ることができます。また、PAHOの黄熱に関するサイトでは、アメリカ大陸地域ブラジルの現在の発生状況に関連して、加盟各国が実施している黄熱の予防やワクチンの接種を証明する国際予防接種証明書に関するさらに詳しい情報を観ることができます。

【出典】Updates on yellow fever vaccination recommendations for international travelers related to the current situation in Brazil

International travel and health

http://www.who.int/ith/updates/20180116/en/