(No.43)

エボラウイルス病―コンゴ民主共和国(9)
2018年6月21日更新

 保健省と世界保健機関(WHO)はコンゴ民主共和国(DRC)におけるエボラウイルス病(EVD)アウトブレイクの詳細なモニターを継続しています。状況を楽観視するには注意が必要です。対策が実施されて1ヶ月を少し過ぎ、EVDの拡大は大方阻止されています。しかしそのような事態の進展にもかかわらず、このアウトブレイクがコントロールされるまでは気を緩めたり、楽観視したりする余地はありません。対策活動は強化されたサーベイランスと積極的な患者の発見に的が絞られたままです。
 2018年5月17日以来、ビコロとワンガタの保健行政地区では新たなEVDの診断確定患者は発生していません。一方イボコで診断確定された最後の患者は2018年6月2日に発症し、同月9日に死亡しました。(図1)
 2018年4月1日から6月18日までの間に赤道州の4つの保健行政地区において総数60人のEVD患者が発生しており、そのうち28人が死亡しています。60人の内訳は38人が診断確定例、14人がきわめて可能性の高い例、8人が疑い例となっています。診断確定された患者は3カ所の保健行政地区から報告されています。ビコロ(総数24人、診断確定例10人、可能性の高い例11人、疑い例3人)、イボコ(総数32人、診断確定例24人、可能性の高い例3人、疑い例5人)、ワンガタ(総数4人、すべて診断確定例)となっています。(図2)患者のうち5人は医療従事者でそのうち4人で診断が確定され2人が死亡しています。1706人の接触者が現在までに登録され、2018年6月18日現在、244人はフォローアップ中です。

図1. 2018年4月1日から6月18日までに発症したEVD診断確定および、可能性の高い患者の時間的分布(総数52人)


図2. 2108年4月1日から6月18日までに発症した、DRC赤道州の各保健行政地区のEVD患者の空間的分布(総数60人)

【出典】WHO Emergencies preparedness, response
Ebola virus disease ? Democratic Republic of the Congo
Disease outbreak news
20 June 2018
http://www.who.int/csr/don/20-june-2018-ebola-drc/en/