(No.44)

麻疹-日本
2018年6月21日更新

 2018年5月16日、日本の国際保健規則(IHR)担当窓口(NFP)は、日本で現在進行している麻疹の流行についてWHOに通知しました。 2018年3月20日海外からの旅行者が沖縄県で麻疹と診断され、その後に都道府県をまたがって新たな麻疹患者が報告されました。この状況を踏まえ、4月11日と26日に厚生労働省(MHLW)は2件の警戒通知を公表しました。この数週間で、沖縄県からの新たな麻疹患者の届出と報告は減少しています(沖縄における最新の発症は5月10日)。最新の患者から4週間が経過した後、6月11日に沖縄県は麻疹流行の終息を公式に宣言しました。この報告書は沖縄県や他の都道府県における麻疹の患者など、日本における最新の麻疹の疫学的状況を提供しています。また引き続き麻疹に警戒する必要性を示しています。

 2018年1月1日から5月20日までに161人が麻疹と診断され、このうち145人(90%)が検査で確認されました(麻疹99人、修飾麻疹46人)。男性89人、女性72人で、年齢の中央値は29歳(範囲は0-58歳)でした。患者は以下の都道府県から報告されました。沖縄(88人)、愛知(25人)、福岡(17人)、東京(11人)、埼玉(6人)、茨城と神奈川(各3人)、山梨と大阪(各2人)。千葉、静岡、兵庫、山口(各1人)。感染が疑われた場所は、日本国内が136人、海外が12人、残りの13人は不明でした。現在までに全患者のうち30人の、分離された麻疹ウイルスの遺伝子型に関する情報が、国家監視システムを通じて受け取られています。ワクチン株の1件を除いて、遺伝子型D8が25件、B3が4件でした。

 日本では輸入麻疹患者の発生が続いています。日本は土着の麻疹伝播排除に成功しました。2015年3月以来、高いワクチン接種率と全ての麻疹患者に対する迅速な特定と対応により、排除状態を維持しています。 2016年の定期ワクチン接種率は、初回接種(1歳時)が97%、2回目の接種(初等学校入学前、通常は5歳)が93%でした;血清学的調査によると、2歳以上のヒトにおける抗体陽性(PA法で抗体価16以上)の割合は、全国的に95%以上を保っていることが確認されました。

【出典】
Emergencies preparedness, response
Disease outbreak news
Measles – Japan
20 June 2018
http://www.who.int/csr/don/20-june-2018-measles-japan/en/