(No.47)

循環ワクチン由来Ⅱ型ポリオウイルス-コンゴ民主共和国
2018年7月12日更新

 コンゴ民主共和国では3カ所で循環ワクチン由来ポリオウイルスⅡ型(cVDPV2)によるアウトブレイクが急性弛緩性麻痺患者の中から見つかっています。2018年2月に政府はcVDVPV2が国家公衆衛生上の緊急事態であると宣言しました。
 cVDPV2株は元々2017年6月にオートオゴウェ州で発見され報告されていましたが、同年の暮れから2018年のはじめにかけてタンガニーカ州と上カタンガ州にそれぞれ広がりました。同じウイルスが2018年6月にウガンダとの国境に近いイトゥリ州で2018年5月5日に麻痺が起こった急性弛緩性麻痺(AFP)の患者から確認されています。現在調査が進行中です。世界保健機関(WHO)は国家レベルでは公衆衛生上のリスクは非常に高く、国境に近く、国境を越えたヒトの移動があるイトゥリ州で最近AFPの患者がみつかったことはその隣国への近接性から考えて、国際間の拡大リスクについては高いと評価しています。
 マニエマ州ではまた別のcVDPV2が起こっています。2017年には2人の患者が確認されています。最終患者の麻痺が発生したのは2017年4月18日です。現在まで、2018年に新しい患者は見つかっていません。また、地理的にさらにこのウイルスが広がったという証拠もありません。
 3番目の最近のcVDPV2はモンガラ州のYamongili保健行政地区でAFPの患者から分離されています。患者は2018年4月26日に麻痺を発症しています。同じコミュニティーにおける2人の健康人の糞便から同じ株のウイルスが分離されたことでその株が循環していることが確認されました。


(図)DRCにおける2018年1月1日から6月29日までのcVDPV2患者の分布


【出典】WHO Emergencies preparedness, response
Circulating vaccine-derived poliovirus type 2 - Democratic Republic of the Congo
Disease outbreak news 10 July 2018
http://www.who.int/csr/don/10-july-2018-polio-drc/en/