(No.48)

エボラウイルス病 - コンゴ民主共和国(11)
2018年8月1日更新

 エボラウイルス病患者との最後の接触者が42日間(潜伏期間の2倍)無事に経過したことをうけ、2018年7月24日にコンゴ民主共和国の保健大臣であるOly Ilunga博士は、同国でのエボラウイルス病のアウトブレイクが終了したことを発表しました。世界保健機関(WHO)事務局長Tedros Adhanom Ghebreyesus博士と、アフリカ地域事務局長Matshidiso Moeti博士は、コンゴ民主共和国におけるアウトブレイクへの対応の成功について国とパートナーを賞賛し、引き続き他の疾患への対処を促しました。

 これまでのエボラウイルス病のアウトブレイクとは対照的に、今回のアウトブレイクは遠く離れた熱帯雨林の村だけでなく、近隣諸国につながる河川をもつ都市を含む3つの保健行政地区に及びました。WHOは、2018年5月8日に発症から数時間以内に、緊急災害基金から200万USドル以上を調達し、現地で活動できるチームを配備し、緊急事態管理システムを稼働させました。ギニアのワクチン接種チームを含め、WHOアフリカ地域から360人のうち3分の2以上が参加しました。
 2018年7月24日の時点で、2018年4月5日から6月2日に発症したEVD患者は合計54人で、うち確定診断例は38人で可能性が高い例は16人でした。このうち、確定診断例の17人を含む33人が死亡(致死率61%)しました。患者は3カ所の保健行政区から報告されました。ビコロ(21人:10人は診断確定例、11人は可能性の高い例)、イボコ(29人:24人は診断確定例、5人は可能性の高い例)、ワンガタ(4人:すべて診断確定例)(図1)となっています。7人は医療従事者で、そのうち2人が死亡しています。


(図1)

【出典】
WHO Emergencies preparedness, response
Ebola virus disease - Democratic Republic of the Congo
Disease outbreak news
25 July 2018
http://www.who.int/csr/don/25-july-2018-ebola-drc/en/