ワクチン由来循環Ⅱ型ポリオウイルス- ナイジェリア
2018年８月10日更新
2018年6月5日、ナイジェリアのソコト州でワクチン由来の循環Ⅱ型ポリオウイルス（ｃVDPV2）のアウトブレイクが確認されました。2018年1月30日～5月23日までの間に2カ所の環境から10検体が集められ、そのすべてでVDPV2と遺伝子学的に関連したウイルス陽性の結果がでました。このｃVDPV2に関連した急性弛緩性麻痺（AFP）の患者は見つかっていません。
ナイジェリアは別のｃVDPV2のアウトブレイクも継続しています。ｃVDPV2の集団感染はヨベ州で2018年6月16日に発症したAFPの患者の便検体から見つかっており、同年5月3日の環境からの検体でも見つかっています。同じｃVDPV2はゴンベ州で2018年4月9日に集められた環境からの検体でも見つかっています。それ以前に同じｃVDPV2はジガワ州で同年4月15日に発症したAFPの患者の検体および同年1月10日～5月2日までに集められた環境からの6検体からも見つかっています。
公衆衛生対策
AFPの患者およびそれぞれ異なる管轄区域において環境調査を行った結果で陽性になった場合、48時間以内に詳細な調査が実施されてきました。さらには経口ポリオ3価ワクチンあるいは2型の1価ワクチンの残存量、コミュニティーにおけるワクチン接種率の調査、医療機関における患者の後ろ向き調査、コミュニティーにおいて現にAFPが発生しているか、健康な小児における便の検査などが今回の詳細な調査には含まれています。2018年5月、ジガワ州、バウチ州、ゴンベ州およびソコト州における54の地方自治体で同時に発生したｃVDPV2へ対処するのため、経口１価ポリオワクチンを用いた2回のアウトブレイク対策が企画されました。サーベイランスの強化対策と定期的な予防接種強化活動がともに実施され、現在も進行中です。
2016年9月から野生株ポリオウイルス1型あるいはｃVDPV２はボルノ州では認めていません。しかし地域的にはチャド湖の一部地域では2016年に上記両ポリオ株が見つかって以来、公衆衛生上の緊急事態は現存しています。ボルノ州ではいくつかの地域で（紛争により）アクセスが不能のため、ワクチン接種およびサーベイランスのためのアクセスも妨げられています。
【出典】
WHO Emergencies preparedness, response
Circulating vaccine-derived poliovirus type 2 -Nigeria
Disease outbreak news 8 August 2018
http://www.who.int/csr/don/08-august-2018-polio-nigeria/en/