(No.53)

エボラウイルス病 – コンゴ民主共和国(14)
2018年8月16日更新

 2018年8月1日、コンゴ民主共和国(DRC)の北キブ(North Kivu)州におけるエボラウイルス病(EVD)の新たな大規模流行発生宣言に続いて、WHOは公式な迅速リスクアセスメントを行い、周辺地域レベルにおけるこの大規模流行による公衆衛生上のリスクは高いとしました。このアセスメントは北キブ州がDRCにおいて人口800万人という最も人口密度の高い州の1つであることが考慮されました。北キブ州は、DRCの4つの州(イトゥリ、南キブ、マニエマ、ツォポ)およびウガンダ、ルワンダと接しています。さらにこの地域は100万人を超える国内の避難民や近隣諸国から国境を越えて人々が移動する割合が高く、高まる不安と人道的危機を経験しています。

 2018年5月5日、DRC赤道州における先のEVD大規模流行中に、WHOアフリカ事務局は近隣9カ国を特定しました(アンゴラ、ブルンジ、中央アフリカ共和国、コンゴ共和国、ルワンダ、南スーダン、タンザニア、ザンビア、ウガンダ)。これらの国々に対策支援チームが配備されWHOの標準化されたチェックリストを用いて国々の対策準備について評価を行いました。またWHOの支援組織の協力の下に、国家緊急時対応計画を策定し開始するための技術的支援を提供しました。

 現在、北キブ州でEVDが流行しているために、WHOアフリカ地域事務局はDRCに隣接する9カ国のうち4カ国(ブルンジ、ルワンダ、南スーダン、ウガンダ)に対して、優先的に対策準備を強化しています(図1)。これらの4カ国は、EVDやウイルス性出血熱(VHF)の流行を管理する能力およびEVD患者が現在報告されている地域への近さ(距離)をもとに優先順位がつけられました。さらに、キンシャサ、マイ=ンドベ、ツアパ、ツォポ、南キブ、イトゥリ、バス-ウエレ、サンクル、マニエマ州では対策準備活動が優先されました。今回の更新は、9つの優先国のうち4カ国に重点が置かれています。


(図1)

 WHOは赤道州で発生した先の大規模流行期間中に行ったように、対策支援チームをこれら近隣諸国に配備しています。今回のミッションはWHOのチェックリストを用いて各国の準備状況を評価すること、支援組織の協力の下に緊急時対応計画を策定するための技術的支援を提供することが目的です。

【出典】
WHO Emergencies preparedness, response
Ebola virus disease in the Democratic Republic of the Congo-Operational readiness and preparedness in neighbouring countries
Disease outbreak news 14 August 2018
http://www.who.int/csr/don/14-august-2018-ebola-drc/en/