エボラウイルス病 – コンゴ民主共和国(15)
２０１８年８月２０日更新
2018年8月1日、コンゴ民主共和国（DRC）保健省（MoH）は北キブ（Kivu）州Mabalako保健地帯Manginaの町でエボラウイルス病（EVD）の新たな流行発生を宣言しました。それ以後、確定患者が北キブ州のBeniとイトゥリ（Ituｒi）州のMandima保健地帯の間から報告されています。しかし現在までに確認されたすべての曝露や感染伝播に関する事柄は、発生源であるManginaとリンクしています。北キブとイトゥリ州は、DRC国内で最も人口の多い州の1つであり、ウガンダやルワンダと国境を共有しています。また100万人を超える国内避難民と周辺国への難民移住を伴う紛争や不安を経験しています。
2018年8月15日の時点で、44人の死亡者を含む78人のEVD患者（確定例51人、可能性が高い例27人）が報告されています1。 2018年8月9日に流行情報（DON）が発表されてから、34人の新たな確定患者が報告されています：イトゥリ州（Mandima保健地帯）から7人、北キブ州から27人（Beniから1人、Mabalakoから26人）です。78人の確定または可能性の高い患者は、北キブ州の5つの保健地帯とイトゥリ州の1つの保健地帯に居住しています。 患者の大半（確定例39人、可能性が高い例21人）はMabalako保健地帯のManginaから報告されました（図1）。 8月15日現在、EVDを診断または除外するために、疑い例24人が検査中です。
医療従事者からは新たに確定例8人が報告され、これにより感染した医療従事者の合計は10人（確定例9人、死亡した可能性が高い例1人）となりました。これらの医療従事者は、エボラ治療センター（ETC）ではなく診療所で曝露した可能性が高く、多くが流行宣言前に感染した可能性があります。 WHOとその支援組織は、医療従事者や他の最前線で従事する人々の間でエボラに対する意識を高め、感染の予防と管理（IPC）対策を強化することに取り組んでいます。
MoH、WHO、およびその支援組織は、DRCの他の州と周辺国のすべての警報を組織的に監視し、迅速に調査することを続けています。最新の流行情報が発表されてから、ウガンダ、ルワンダ、中央アフリカ共和国およびDRCの複数の州で警報が調査されました。 すべての警報においてEVDは除外されました。
さらなる情報はこちら
http://www.who.int/ebola/situation-reports/drc-2018/en/
図1 2018年8月15日、コンゴ民主共和国北キブ州とイトゥリ州における保健地帯別のエボラウイルス病の確定例と可能性が高い例
WHOによるアドバイス
エボラワクチンに取り組んでいる「予防接種に関する戦略的諮問委員会（SAGE）」のグループとSAGEの委員らは、疫学的状況や複数のエボラワクチン候補に関する利用可能なエビデンス、様々な介入の影響について検討しています。リングワクチンは好ましい戦略です（2017年4月のSAGE報告書に記載されているように、エボラ確定患者の周囲にリングワクチン行うことが確認不可能な場合には、地理的に対象をしぼった接種方法が代替案として提案されます）。以下の暫定勧告が合意されています：候補となるワクチンが承認される前にエボラの大規模流行が発生した場合、インフォームドコンセントと「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令（Good Clinical Practice）」に準拠した未承認薬アクセス制度（Expanded Access framework）のもとrVSV-ZEBOVエボラワクチンが速やかに配備されます。もし大規模流行がザイール株以外のエボラウイルスで起きた場合、推定されるウイルス株を標的とした他のワクチン候補の使用を検討する必要があります。
エボラワクチンに関するさらなる情報はこちら
http://www.who.int/immunization/policy/sage/Interim_recommendation_Ebola_vaccines.pdf
今回の流行の全範囲を決定するための調査は続いており、また国家（DRC）と周辺地域のリスクが高いため、近隣の州や国は監視と準備を強化することが重要です。WHOは周辺国や支援組織と協力を継続し、保健当局の警戒態勢や対応準備を確実にしています。WHOは現在利用可能な情報に基づき、DRCへの渡航と貿易にいかなる制限も推奨しません。今回の事象に関連した渡航や貿易に対して、必要であればWHOは厳密な監視と検証を行います。
さらなる情報はこちら
http://origin.who.int/ith/evd-travel-advice-final-15-08-2018-final.pdf?ua=1
http://www.who.int/csr/don/14-august-2018-ebola-drc/en/
http://www.who.int/en/news-room/fact-sheets/detail/ebola-virus-disease
1患者数は疾患定義の変更、後ろ向き調査、検査結果の利用により変更されることがあります。
【出典】
Ebola virus disease -Democratic Republic of the Congo
Disease outbreak news
17 August 2018
http://www.who.int/csr/don/17-august-2018-ebola-drc/en/
2018年8月15日の時点で、44人の死亡者を含む78人のEVD患者（確定例51人、可能性が高い例27人）が報告されています1。 2018年8月9日に流行情報（DON）が発表されてから、34人の新たな確定患者が報告されています：イトゥリ州（Mandima保健地帯）から7人、北キブ州から27人（Beniから1人、Mabalakoから26人）です。78人の確定または可能性の高い患者は、北キブ州の5つの保健地帯とイトゥリ州の1つの保健地帯に居住しています。 患者の大半（確定例39人、可能性が高い例21人）はMabalako保健地帯のManginaから報告されました（図1）。 8月15日現在、EVDを診断または除外するために、疑い例24人が検査中です。
医療従事者からは新たに確定例8人が報告され、これにより感染した医療従事者の合計は10人（確定例9人、死亡した可能性が高い例1人）となりました。これらの医療従事者は、エボラ治療センター（ETC）ではなく診療所で曝露した可能性が高く、多くが流行宣言前に感染した可能性があります。 WHOとその支援組織は、医療従事者や他の最前線で従事する人々の間でエボラに対する意識を高め、感染の予防と管理（IPC）対策を強化することに取り組んでいます。
MoH、WHO、およびその支援組織は、DRCの他の州と周辺国のすべての警報を組織的に監視し、迅速に調査することを続けています。最新の流行情報が発表されてから、ウガンダ、ルワンダ、中央アフリカ共和国およびDRCの複数の州で警報が調査されました。 すべての警報においてEVDは除外されました。
さらなる情報はこちら
http://www.who.int/ebola/situation-reports/drc-2018/en/
図1 2018年8月15日、コンゴ民主共和国北キブ州とイトゥリ州における保健地帯別のエボラウイルス病の確定例と可能性が高い例
WHOによるアドバイス
エボラワクチンに取り組んでいる「予防接種に関する戦略的諮問委員会（SAGE）」のグループとSAGEの委員らは、疫学的状況や複数のエボラワクチン候補に関する利用可能なエビデンス、様々な介入の影響について検討しています。リングワクチンは好ましい戦略です（2017年4月のSAGE報告書に記載されているように、エボラ確定患者の周囲にリングワクチン行うことが確認不可能な場合には、地理的に対象をしぼった接種方法が代替案として提案されます）。以下の暫定勧告が合意されています：候補となるワクチンが承認される前にエボラの大規模流行が発生した場合、インフォームドコンセントと「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令（Good Clinical Practice）」に準拠した未承認薬アクセス制度（Expanded Access framework）のもとrVSV-ZEBOVエボラワクチンが速やかに配備されます。もし大規模流行がザイール株以外のエボラウイルスで起きた場合、推定されるウイルス株を標的とした他のワクチン候補の使用を検討する必要があります。
エボラワクチンに関するさらなる情報はこちら
http://www.who.int/immunization/policy/sage/Interim_recommendation_Ebola_vaccines.pdf
今回の流行の全範囲を決定するための調査は続いており、また国家（DRC）と周辺地域のリスクが高いため、近隣の州や国は監視と準備を強化することが重要です。WHOは周辺国や支援組織と協力を継続し、保健当局の警戒態勢や対応準備を確実にしています。WHOは現在利用可能な情報に基づき、DRCへの渡航と貿易にいかなる制限も推奨しません。今回の事象に関連した渡航や貿易に対して、必要であればWHOは厳密な監視と検証を行います。
さらなる情報はこちら
http://origin.who.int/ith/evd-travel-advice-final-15-08-2018-final.pdf?ua=1
http://www.who.int/csr/don/14-august-2018-ebola-drc/en/
http://www.who.int/en/news-room/fact-sheets/detail/ebola-virus-disease
1患者数は疾患定義の変更、後ろ向き調査、検査結果の利用により変更されることがあります。
【出典】
Ebola virus disease -Democratic Republic of the Congo
Disease outbreak news
17 August 2018
http://www.who.int/csr/don/17-august-2018-ebola-drc/en/