エボラウイルス病-コンゴ民主共和国(17)
２０１８年9月13日更新
２０１８年９月１日はコンゴ民主共和国（DRC）におけるエボラウイルス病（EVD）のアウトブレイク宣言がなされてから１ヶ月にあたります。新規患者の発見と対策、必要な場所における感染防御と患者治療については良好な進展が見られています。しかしながらこのアウトブレイクがさらに拡大する重大なリスクは残されたままです。EVD予防対策がいくつかのコミュニティーにおいては積極的になされていないこと、感染防御とコントロール対策が脆弱なために医療機関で感染が起こっていること、発症後EVD治療センターへの送致が遅れていること、アクセスの悪い安全の確保されていない地域へのウイルスの拡大の可能性があることなどのリスクがあります。
最近の週において患者の発生はわずかに増加しています（図１）。伝播の中心地はマバラコ保健行政地区におけるマンギナ内外からベニの都市部に移動しています。22人の診断確定あるいは可能性の高い例のうち、ベニからの15例、ほかの保健行政地区からの少なくとも3人の診断確定例は疫学的に同じつながりがあります。前回8月31日のDONs報告（8月29日までのデータ）以来、13例の新たなEVD例（12人の診断確定例、1例の可能性例）が報告されています。そのうち8人の診断確定例と、1人の可能性例はベニからの報告であり、２人はマバラコから、マンディバ、ブテンボ、マセレカの各保健行政地区からは1人ずつの報告となっています。マンギナとマンディバ保健行政地区における状況は大いに改善されていますが孤発例は依然としてみとめられています。ベニからマセレカ保健行政地区にあるブテンボや近隣の村へと感染拡大のリスクは後に診断確定することになった２人の患者が移動したことにより、高くなっています（図２）。流行の起こっている地域において人の移動があることを考えるなら、本来この２人については迅速に見つけ出されて、さらなるウイルスの拡大を阻止するために追加的対応策が即座に実施されていたことが期待されました。
2018年9月5日現在、EVD患者数は129人（98人が診断確定例、31人が可能性の高い例）であり、86人が死亡（診断確定例から55人、可能性の高い例から31人）しています。患者は北キヴ州の7カ所の保健行政地区から発生しています。（ベニ、ブテンボ、カルンガタ、マバラコ、マセレカ、ミュジャネーヌ、オイシャの7地区）ほかの地域でも患者の報告はありますが、最近の感染伝播の出来事はベニ、マバラコ、マンディマの保健行政地区に限られています。年齢・性別の判明している123人の診断確定例あるいは可能性の高い例のうち、35－44歳の成人が24％であり、女性は全体の58％を占めており、診断確定例および可能性の高い例の中ではもっとも割合が高くなっています（図3）。17人は医療従事者でそのうち16人は診断確定例です。（マバラコ14人、ベニ1人、マセレカ1人）医療従事者患者への暴露はすべてエボラ治療に専従しているエボラ治療センター外でベニやマンディマの医療機関で発生しています。2人の医療従事者が死亡しています。診断確定例や可能性の高い例に加えて7人の疑い例がマバラコ（5人）、ベニ（1人）、マンディマ（1人）から発生しており、診断確定例となるか、EVD以外となるか現在結果保留となっています。
対策チームの存在とエボラコントロール手段の実施については全体的には流行地域のローカルコミュニティーに受け入れられており、サポートされています。いくつかの地域では課題は残ったままです。対策チームはエボラ対応活動に対して積極的でない孤発のケースについての働きかけを継続しています。
対策が実施されているごく近辺で闘争や危険性のある場合については十分に細かくモニターが実施されています。WHOと国連安全保障チームは内規の安全方針と対応について監視と遵守を行うことを保証しています。国連による武装護衛を行う方針（過去のアウトブレイクでそうであったように）は要請があった時にのみ、別の車両を使用する事で引き続き監視されますが、対応については護衛担当者は直接関与しません。
図１．EVDの診断確定例および可能性の高い症例の週ごとの分布（発症日でカウント）2018年9月5日現在（ｎ=127）
図２．北キヴ州およびイトゥリ州の保健行政地区におけるEVDの診断確定例および可能性の高い例の空間的分布。2018年9月5日現在（ｎ=128）
図３．EVDの診断確定例および可能性の高い例における性別、年齢別分布2018年9月5日現在（ｎ=123）。性別年齢不明例6例
【出典】
Emergencies preparedness, response
Ebola virus disease - Democratic Republic of the Congo
Disease outbreak news 7 September 2018
http://www.who.int/csr/don/7-september-2018-ebola-drc/en/
最近の週において患者の発生はわずかに増加しています（図１）。伝播の中心地はマバラコ保健行政地区におけるマンギナ内外からベニの都市部に移動しています。22人の診断確定あるいは可能性の高い例のうち、ベニからの15例、ほかの保健行政地区からの少なくとも3人の診断確定例は疫学的に同じつながりがあります。前回8月31日のDONs報告（8月29日までのデータ）以来、13例の新たなEVD例（12人の診断確定例、1例の可能性例）が報告されています。そのうち8人の診断確定例と、1人の可能性例はベニからの報告であり、２人はマバラコから、マンディバ、ブテンボ、マセレカの各保健行政地区からは1人ずつの報告となっています。マンギナとマンディバ保健行政地区における状況は大いに改善されていますが孤発例は依然としてみとめられています。ベニからマセレカ保健行政地区にあるブテンボや近隣の村へと感染拡大のリスクは後に診断確定することになった２人の患者が移動したことにより、高くなっています（図２）。流行の起こっている地域において人の移動があることを考えるなら、本来この２人については迅速に見つけ出されて、さらなるウイルスの拡大を阻止するために追加的対応策が即座に実施されていたことが期待されました。
2018年9月5日現在、EVD患者数は129人（98人が診断確定例、31人が可能性の高い例）であり、86人が死亡（診断確定例から55人、可能性の高い例から31人）しています。患者は北キヴ州の7カ所の保健行政地区から発生しています。（ベニ、ブテンボ、カルンガタ、マバラコ、マセレカ、ミュジャネーヌ、オイシャの7地区）ほかの地域でも患者の報告はありますが、最近の感染伝播の出来事はベニ、マバラコ、マンディマの保健行政地区に限られています。年齢・性別の判明している123人の診断確定例あるいは可能性の高い例のうち、35－44歳の成人が24％であり、女性は全体の58％を占めており、診断確定例および可能性の高い例の中ではもっとも割合が高くなっています（図3）。17人は医療従事者でそのうち16人は診断確定例です。（マバラコ14人、ベニ1人、マセレカ1人）医療従事者患者への暴露はすべてエボラ治療に専従しているエボラ治療センター外でベニやマンディマの医療機関で発生しています。2人の医療従事者が死亡しています。診断確定例や可能性の高い例に加えて7人の疑い例がマバラコ（5人）、ベニ（1人）、マンディマ（1人）から発生しており、診断確定例となるか、EVD以外となるか現在結果保留となっています。
対策チームの存在とエボラコントロール手段の実施については全体的には流行地域のローカルコミュニティーに受け入れられており、サポートされています。いくつかの地域では課題は残ったままです。対策チームはエボラ対応活動に対して積極的でない孤発のケースについての働きかけを継続しています。
対策が実施されているごく近辺で闘争や危険性のある場合については十分に細かくモニターが実施されています。WHOと国連安全保障チームは内規の安全方針と対応について監視と遵守を行うことを保証しています。国連による武装護衛を行う方針（過去のアウトブレイクでそうであったように）は要請があった時にのみ、別の車両を使用する事で引き続き監視されますが、対応については護衛担当者は直接関与しません。
図１．EVDの診断確定例および可能性の高い症例の週ごとの分布（発症日でカウント）2018年9月5日現在（ｎ=127）
図２．北キヴ州およびイトゥリ州の保健行政地区におけるEVDの診断確定例および可能性の高い例の空間的分布。2018年9月5日現在（ｎ=128）
図３．EVDの診断確定例および可能性の高い例における性別、年齢別分布2018年9月5日現在（ｎ=123）。性別年齢不明例6例
【出典】
Emergencies preparedness, response
Ebola virus disease - Democratic Republic of the Congo
Disease outbreak news 7 September 2018
http://www.who.int/csr/don/7-september-2018-ebola-drc/en/