(No.60)

MERS-CoV感染症-大韓民国
2018年9月13日更新

 2018年9月8日韓国の国際保健規則(IHR2005)担当窓口は世界保健機関(WHO)に対して中東呼吸器症候群コロナウイルス感染症(MERS-CoV)の診断確定患者を報告しました。
 患者は61歳の韓国籍男性です。今年8月16日から9月6日にかけて仕事でクウェートを訪問して、ドバイ経由で韓国に帰国しています。
 8月28日、クウェート滞在中、下痢症状が出現。9月3日には症状悪化のために4日と6日にマンガフにある病院を受診しています。9月7日には韓国に戻り、ソウルにある総合病院を下痢と発熱症状で受診しました。肺炎の診断をうけ、渡航歴からMERSが疑われました。直ちに隔離措置が行われ、国立ソウル大学病院に送致され、直ちに隔離病棟に収容されました。患者はこの報告時点で状態は安定しています。
 喀痰の検体が採取され、8日にソウルの公衆衛生環境研究所で行われたRT-PCR検査にてMERS-CoV陽性となりました。ウイルスの分離もされています。

公衆衛生対策
 韓国の保健省は患者と濃厚な接触のあった21人を監視しています。彼らは患者の家族、患者の渡航中に近傍の席に座った人、客室乗務員、ソウルで濃厚接触のあった医療従事者です。同定されたすべての接触者は自宅にて停留状態ですが、現在まで特に症状はありません。彼らは地域の保健所により、患者との暴露後14日間の健康監視を実施されています。さらに同じ飛行機に搭乗した人435人についてはこれまでにあるいは現在も、受動的サーベイランス下にあります。
 韓国の保健当局はクウェートの保健省と接触をとっています。クウェートにおける患者自身の暴露歴や渡航歴の疫学的調査は進行中です。
 WHOは韓国、クウェート、アラブ首長国連邦と連携して活動しており、患者の移動や暴露歴の同定および2次感染の発生を最小限にするため、3加盟国での調査について、ガイダンスや技術的アドバイスを行っています。

【出典】
Emergencies preparedness, response
Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) infection  Republic of Korea
Disease outbreak news
12 September 2018
http://www.who.int/csr/don/12-september-2018-mers-republic-of-korea/en/