(No.63)

エボラウイルス病 – コンゴ民主共和国(19)
2018年9月21日更新

 コンゴ民主共和国(DRC)におけるエボラウイルス病(EVD)のアウトブレイクは、依然として活発です。病気が新たな地域へ広がるのを抑えるための相当な進歩がみられ、マンギナ(マバコ保健行政地区)の状況は安定していますが、ベニとブテンボが新たな(感染の)ホットスポットになっています。対策チームはこれらの都市における潜在的な(感染の可能性がある)集団を鎮静化し、他の地域への拡散を防ぐ活動を強化し続けています。

 EVDがさらに広がる重大なリスクは残っています。フォローアップが必要だが行方不明の接触者や、保健センターにおけるEVDの認識遅れと乏しい感染予防と管理(IPC)、またエボラ治療センター(ETCs)にいる治療へ抵抗する患者たちなど、問題は続いています。大半の地域社会は対応措置を歓迎していますが、いくつかでは感染のリスクや病気の予後が不良であることが、予防やリスクを抑える戦略を受け入れることへ抵抗するような好ましくない行動を増強しています。優先事項は、DRCや周辺の国々の非感染発生地域で対策準備の強化を継続することと、全ての感染発生地域で公衆衛生上の対応の全要素を強化することです。

 最新のDisease Outbreak News(9月12日現在のデータ)以来、新たに5人のEVD確定患者が報告されました;ベニ保健行政地区から4人、ブテンボ保健行政地区から1人です。全ての患者がそれぞれの地域社会内で現在進行している感染経路と関連しています。

 2018年9月18日現在、97人の死亡者(確定例66人、可能性の高い例31人)を含む合計142人のEVD患者(確定例111人、可能性の高い例31人)が7つの保健行政地区、すなわち北キヴ州の(ベニ、ブテンボ、カルングタ、マバラコ、ムシエネネ、オイチャ)とイトゥリ州のマンディマ保健行政地区から報告されています(図1)。毎週の患者発生数は全体的に減少傾向が続いています(図2);しかし患者の報告の遅れや、現在進行している散発例の発見を考慮して、これらの傾向は慎重に解釈する必要があります。年齢と性別の情報が分かっている135人の可能性が高い例と確定例のうち、35-44歳(23%)の成人と、女性(56%)が大きな割合を占めています(図3)。合計すると、19人(確定例18人、可能性が高い例1人)の医療従事者が現在までに罹患しており、うち3人が死亡しています。

 保健省(MoH)とWHOおよびその支援組織は、感染発生地域と、DRCの他の全ての州、そして周辺の国々で全ての警報を監視し調査しています。2018年9月18日現在、疑い例9人が検査結果を待っている状態です。最新の報告以来、周辺の国々とDRCのいくつかの州で警報が調査されました。現在までに、周辺の州と国々からの全ての警報でEVDは除外されています。

      
      (図1)

    
       (図2)
        
       (図3)


【出典】
WHO Emergencies preparedness, response
Ebola virus disease -Democratic Republic of the Congo
Disease outbreak news 20 September 2018
http://www.who.int/csr/don/20-september-2018-ebola-drc/en/