(No.67)

コレラ-ニジェール
2018年10月12日更新

 7月15日にコレラのアウトブレイク宣言が正式にニジェールの保健省によってなされました。初発の3人の患者はニジェールとの国境に位置するナイジェリアカツィナ州ジビア地方行政区(LGA)から来たナイジェリア住人でした。彼らは同一の家族のメンバーで2018年7月5日に治療を受けるためにニジェールの国境の町の医療機関へ来る前にジビアLGAで、すでに発症していたとのことです。3人ともO1稲葉型のコレラ菌が便検体から検出されています。そのうち1人は入院直後に死亡しています。これら3人の患者に加えてジビアLGAから4km程度離れたニジェールの村で6人の患者が報告されました。それ以後アウトブレイクは持続的に地理的な拡大をみせて8月から9月の始めにかけてピークとなり、400人前後の患者が報告されています。

 2018年10月1日現在、3,692人(14%はニジェールでの治療を求めてきたナイジェリアの住人です)の累計患者数でそのうち68人が死亡(死亡率1.8%)しており、報告はドーソ、マラディ、タウア、ザンデールの4保健行政地区の中の12地域からなされています。マラディ保健行政地区の4地域(Aguie、Guidam Roumji、Madarounfa、Maradi commune)タウラ保健行政地区の2地域(Birni Koni、Mabalza)はナイジェリアとの国境に位置しており、ドーソ保健行政地区のGaya地域はベナンとナイジェリアの国境近くに位置しています。4保健行政地区(ドーソ保健行政地区(1人)ザンデール保健行政地区(3人)マラディ保健行政地区(10人)タウア保健行政地区(20人))から報告のあった34人でO1稲葉型のコレラ菌がニアメにある医学保健リサーチセンター(CERMES)で確認されています。

 アウトブレイクの発生した地域は衛生状態が悪く、その拡大につながっています。ニジェールと隣接するナイジェリアのカツィナ州との間では人の往来が激しく、コレラ患者の急増に関与しており、アウトブレイクに影響を与えています。

【出典】
WHO Emergencies preparedness, response
Cholera ―Niger Disease outbreak news: Update 5 October 2018
http://www.who.int/csr/don/05-october-2018-cholera-niger/en/