(No.68)

コレラ-ジンバブエ(2)
2018年10月12日更新

 ジンバブエにおけるコレラについての最新のDisease Outbreak Newsが9月20日(9月15日時点のデータ)に発行されてから、さらに4,914 人(92人の確定診断例を含む)の症例が報告されました。
首都ハラレにおけるコレラのアウトブレイクは2018年9月6日にジンバブエの保健・児童福祉省(MoHCC)により宣言され、同日中に世界保健機関(WHO)に通知されました。2018年10月3日現在、累積8,535人の症例が報告され、確定診断例は163人、死亡例50人で致死率は0.6%でした。これらの8,535人のうち、98%(8,341人)は人口密度の高い首都ハラレから報告されました(図1)。最も感染の影響を受けているのはハラレの郊外で、グレン・ビューとブディリロです。
 年齢がわかっている8,340人の症例のうち、5歳から35歳が大部分(56%)を占めました。男性と女性は等しくアウトブレイクの影響を受けました。9月4日から10月3日まで、死亡者のほとんどが医療機関から報告されました。
 病原体はO1小川型であることは知られています。2018年9月6日の確定以後、多剤耐性株が特定され循環していますが、ほとんどの症例の治療に影響をうけておらず、補液などの支持療法が行われています。抗生物質は重症例にのみ推奨されています。さらにまた、ハラレでの重症例に使用される抗生物質はアジスロマイシンでほとんどの症例に効果が得られています。
 井戸やボアホール(掘削孔)を含む汚染された水源がアウトブレイクの発生源として疑われます。

       
          図1:2018年9月4日~10月3日のジンバブエ・ハラレにおけるコレラ患者

       
           図2:2018年9月4日~10月1日のジンバブエのコレラ患者
【出典】
WHO Emergencies preparedness, response
Cholera - Zimbabwe
Disease outbreak news: Update 5 October 2018
http://www.who.int/csr/don/05-october-2018-cholera-zimbabwe/en/