Disease outbreak news: Update 25 October 2018 
(No.74)

エボラウイルス病-コンゴ民主共和国(24)

2018年10月30日更新

 この1週間の治安情勢は、反政府武装勢力と政府軍との衝突により車両に石を投げつけことによる民間人の死者を招き、コンゴ民主共和国における地域社会を疲弊させ、エボラウイルス病(EVD)の大規模流行に対する対策活動を深刻に妨げています。これらの事件は、EVDの感染伝播が集中しているベニ市の地域社会の中で発生しています。これらの難題にもかかわらず、(コンゴ民主共和国)保健省(MoH)はWHOとその支援組織とともに、大規模流行を抑える対策を強化しています;WHOは、250人を超えるWHOスタッフによるチームを現在削減する予定はありません。

 最新の疾病発生ニュース(10月16-23日)以来、新たに27人の確定患者が報告されています:ベニから24人(マンディマ在住で、ベニに入院した1人を含む)、ブテンボから3人です。新たに報告された患者の内、報告の時点で8人が既知の確定患者と接触していたことが分かっています。また2人は、さかのぼって感染伝播の鎖(transmission chain)とリンクしており、17人は現在調査中です。ベニのヘルスポストから、1人の医療従事者が新たに感染しました;これまでに、21人の医療従事者が感染しており、3人が死亡しています。

 2018年10月23日現在、EVD患者は247人(確定例212人、可能性の高い例35人)で、死亡者は159人(確定例124人、可能性の高い例35人)です。北キヴ州にある7つの保健行政地区とイトゥリ州にある3つの保健行政地区から報告されています(図1)。65人が回復し、EVD治療センター(ETCs)を退院して社会復帰しました。週あたりの患者発生数の傾向と、今月初めに観察された2番目のピークは、ベニ周辺における感染伝播の強さを反映しています(図2)。これらの傾向は、病気の発症と報告の間の遅延や、この大規模流行を調査する困難さを考慮して、注意深く解釈する必要があります。

 今回の大規模流行がDRCの他の州と周辺国に拡大するリスクは、北キヴの地域社会で感染伝播が続いていることから、非常に高いままです。主要な感染発生保健行政地区より広い範囲で、全てのウイルスを検出し、調査や対応する準備を確実に整備しておく必要があります。この1週間では、モーリタニア、南スーダン、スーダン、ウガンダ、タンザニアから警報が報告されました。現在までに、周辺の州と国家からの全ての警報でEVDは除外されています。

       
図1.DRC北キブ州およびイトゥリ州におけるEVD診断確定および、可能性例の分布(2018年10月23日現在、総数247人)

      
図2.EVD診断確定および可能性例の週毎の数(発症日の週でカウント)(2018年10月23日現在、総数246人)

【出典】
Emergencies preparedness, response
Ebola virus disease -Democratic Republic of the Congo
Disease outbreak news 25 October 2018
http://www.who.int/csr/don/25-october-2018-ebola-drc/en/