(No.75)

伝播型ワクチン由来ポリオウイルス2型-ニジェール

2018年10月31日更新

2018年7月から9月までに、ニジェールから伝播型ワクチン由来ポリオウイルス2型(cVDPV2)による6人の患者が報告されました。これはナイジェリアのジガワ(Jigawa)州とカツィナ(Katsina)州で発生したcVDPV2患者と遺伝学的関連があります。このウイルスは、ナイジェリアと国境を接するニジェール南部のザンデール(Zinder)州でおきた急性弛緩性麻痺(AFP)の小児患者から分離されました。AFPは7月18日から9月16日の間に発症しました。2018年4月以来、このウイルスの大規模流行がナイジェリアのジガワ州、カツィナ州、ヨベ(Yobe)州、ゴンベ(Gombe)州そしてボルノ(Borno)州で発生しており、これまでに18人が報告されています。

 2018年1月にさかのぼると、ナイジェリアのソコト(Sokoto)州で別のcVDPV2流行が報告されています。ナイジェリアはアフガニスタンやパキスタンとともに、野生ポリオウイルスが土着している国に分類された世界3カ国の1つです。

 チャド湖(注:ニジェール東北部との国境をなすアフリカ大陸中央部の巨大湖、近年著しく縮小している)流域国家(カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、ニジェール、ナイジェリア)のポリオ流行対策の一環として、2017年1月ニジェールでは最新の1価経口ポリオワクチン2型(mOPV2)の接種ラウンド(巡回)が実施されました。

【出典】
Emergencies preparedness, response
Circulating vaccine-derived poliovirus type 2 -Niger
Disease outbreak news 30 October 2018
http://www.who.int/csr/don/30-october-2018-polio-niger/en/