(No.78)

エボラウイルス病-コンゴ民主共和国(26)

2018年11月14日更新

 エボラウイルス病のアウトブレイクは、終息宣言が出されてから4ヶ月経過した今も300症例以上発生しましたが、様々な面で対策が進んでいます。にもかかわらず、ベニ市での流行のコントロールに難渋しており、ベニやブテンボの周辺の村々では拡大する様相を見せています。

 10月31日から11月6日までの間に新たに29人のエボラウイルス病が確認されました。15人はベニから、7人はブテンボから、4人はカルングタから、2人はマバラコから、1人はブホビからです。マバラコで報告された2人の患者は母とその母から生まれたばかりの新生児でした。この2人はベニに在住し感染しましたが、マバラコエボラ治療センターで治療をうけました。マバラコとカルングタの保健行政地区の3人の職員が新たに感染しました。さらに28人の職員に感染が拡大しております。その後10人の生存者がベニ治療センターから退院し職場に復帰しています。また88人の患者が回復しています。

 9月までに308人のエボラウイルス病(確定例273人、可能性の高い例35人)が発生し、うち189人(確定例154人、可能性の高い例35人)が死亡したと、北キヴ州の8カ所とイトゥリ州の3カ所の保健行政地区で報告されました(図1)。今週ベニからの報告は少なかった。しかし、新たな症例がベニやベニ以外の地域で報告されており、症例発見の遅延も続いています。したがって、週単位でエボラウイルス病の発生率は、慎重に解釈しなければなりません(図2)。

 コンゴ民主共和国内のその他の州や周辺国に流行が拡大するリスクは依然として高い状態が続いています。これまで南スーダン、ウガンダ、イエメンから警告が発せられてきましたが、これらは解除されてきました。ウガンダは地理的に流行地域に最も近く、引き続き注意が必要であり、今週になって第一線で働いている医療機関の職員にワクチン接種が行われました。  


 図1: コンゴ民主共和国の北キヴ州とイトゥリ州で発生したエボラウイルス病の確定例と可能性の高い例  2018年11月6日のデータ(n=308)

         
 


  図 2: 週ごとの新規発生エボラウイルス病の確定例及び可能性の高い例(2018年11月6日) (n=303)*

        
※5人は発症日が不明です。ここ数週間のデータは、診断の確定と報告が遅延しつつあります。この時期の傾向は慎重に解釈する必要があります。

【出典】
WHO Emergencies preparedness, response
Ebola virus disease - Democratic Republic of the Congo
Disease outbreak news 8 November 2018
http://www.who.int/csr/don/08-november-2018-ebola-drc/en/