(No.80)

エボラウイルス病-コンゴ民主共和国(27)
2018年11月22日更新


 コンゴ民主共和国でエボラウイルス病(EVD)のアウトブレイクに対応する上で、障害を克服する新しい方法が良い影響を及ぼしています。 保健省(MoH)、WHOおよびパートナーは、難題にもかかわらず、アウトブレイクが抑制できると自信を持っています。

 11月7日から13日までの間、北キヴ州のいくつかの地域で感染が継続し、さらに2つの新しい保健行政地区(Kyondo と Mutwanga)への流行の地理的拡大を認めました(図1)。 これらの保健行政地区から報告された最初の症例は、それぞれブテンボおよびベニの患者との接触が明らかにされています。

 この期間、ベニ、Mutwanga、カルングタ、ブテンボ、ブホビ、KyondoおよびMusieneneから新たに31人のEVD症例が報告されました。新規患者のうち4人は新生児および2歳未満の乳児で、3人は2-17歳の子供であり、3人は妊娠中および授乳中の女性でした。ベニとブテンボでは3人の医療従事者が新たに感染し、現在まで31人の医療従事者が感染しています。ベニ(9人)、ブテンボ(2人)、マバラコ(1人)のEbola治療センター(ETC)から12人の生存者が退院し、地域社会に復帰しました。現在までに103人の患者が回復しています。

 先週、症例記録のレビューと調整が行われました。このレビューでは、可能性のある14症例が追加され、これまでに可能性があるとされた11人の死亡例は無効とし、重複症例は除外されています。 さらに、確定症例と可能性の高い症例のいくつかは、入院したETCの所在地とは対照的に、感染が最も発生しやすい保健行政地区に再分類されています。

 11月13日現在、215人の死亡(確定例177人、可能性が高い例38人)を含む341人のEVD症例(確定例303人と可能性が高い例38人)が北キヴ州の11ヶ所、イトゥリ州の3ヶ所の保健行政地区で報告されました。毎週の症例発生率の全体的な傾向は、北キヴのいくつかの都市と村落における地域社会の伝播の継続を反映しています(図2)。 症例の検出と進行中のデータ調整活動の遅延が見込まれるため、特に最近の数週間の傾向は慎重に解釈する必要があります。

 コンゴ民主共和国内のその他の州や周辺国に流行が拡大するリスクは依然として高い状態が続いています。これまで南スーダン、ウガンダから警告が発せられてきましたが、これらは解除されてきました。ウガンダの優先拠点での保健医療と最前線の労働者の予防接種は11月7日に始まり、ルワンダと南スーダンでの保健医療と前線での労働者の予防接種の準備が進められています。


図1: コンゴ民主共和国の北キヴ州とイトゥリ州で発生したエボラウイルス病の確定例と可能性の高い例。2018年11月13日のデータ(n=341)



図 2: 週ごとの新規発生エボラウイルス病の確定例及び可能性の高い例(2018年11月13日) (n=341)*

*ここ数週間のデータは、診断の確定と報告が遅延しつつあります。この時期の傾向は慎重に解釈する必要があります。


【出典】
WHO Emergencies preparedness, response
Ebola virus disease - Democratic Republic of the Congo
Disease outbreak news 15 November 2018
http://www.who.int/csr/don/15-november-2018-ebola-drc/en/