(No.81)

エボラウイルス病-コンゴ民主共和国(28)
2018年11月30日更新

 コンゴ民主共和国で進行中のエボラウイルス病(EVD)の発生は複雑で挑戦的な作業ですが、WHOは、その発生が保健省(MoH)およびパートナーと協力してうまくいくことを確信しています。

 2018年11月16日に、武装集団は、国連エボラ対策駐留所に近い、ベニ市のボケネ地区の国連機関安定化ミッションコンゴ民主共和国拠点(MONUSCO)を攻撃しました。 ベニでの対応作業は一時的に中断されましたが、予防接種を含むすべての活動は11月18日に再開されました。 WHOは、EVDの流行を管理するための継続的な努力に不可欠な平和維持部隊に対する攻撃を非難しました。 WHOは、関係する状況とリスクを引き続き評価し、対応者と民間人を守るための措置について注意を払っています。

 保健センターは疾病の感染源と特定されています。 注射による薬物投与が感染の主な原因でした。 現行の取り組みは、清潔に水と製品を提供すること、非公式の保健センターでは保健医療従事者を訓練すること、注射を必要としない投薬の奨励を奨励することなど、感染予防と管理(IPC)対策の改善に焦点を当てています。

 この期間、ベニ、Mutwanga、カルングタ、ブテンボ、Katwa および Oichaから新たに36人のEVD症例が報告され、カルングタから別に7人の可能性が高い症例が報告されました。新規患者のうち7人は新生児および2歳未満の乳児で、6人は2-17歳の子供であり、1人は妊娠中の女性でした。ベニとKatwaでは5人の医療従事者が新たに感染し、現在まで39人の医療従事者が感染しています。ベニ(6人)、ブテンボ(4人)のEbola治療センター(ETC)から10人の生存者が退院し、地域社会に復帰しました。現在までに113人の患者が回復しています。

 11月20日現在、219人の死亡(確定例172人、可能性が高い例47人)を含む386人のEVD症例(確定例339人と可能性が高い例47人)が北キヴ州の11ヶ所、イトゥリ州の3ヶ所の保健行政地区で報告されました(図1)。毎週の症例発生率の全体的な傾向は、北キヴのいくつかの都市と村落における地域社会の伝播の継続を反映しています(図2)。 症例の検出と進行中のデータ調整活動の遅延が見込まれるため、特に最近の数週間の傾向は慎重に解釈する必要があります。

 コンゴ民主共和国内のその他の州や周辺国に流行が拡大するリスクは依然として高い状態が続いています。これまでザンビア、ウガンダから警報が発せられてきましたが、これらは解除されてきました。

図1: コンゴ民主共和国の北キヴ州とイトゥリ州で発生したエボラウイルス病の確定例と可能性の高い例。2018年11月20日のデータ(n=386)



図 2: 週ごとの新規発生エボラウイルス病の確定例及び可能性の高い例(2018年11月20日) (n=382)*


*ここ数週間のデータは、診断の確定と報告が遅延しつつあります。この時期の傾向は慎重に解釈する必要があります。


【出典】
WHO Emergencies preparedness, response
Ebola virus disease - Democratic Republic of the Congo
Disease outbreak news 22 November 2018
http://www.who.int/csr/don/22-november-2018-ebola-drc/en/