(No.82)

エボラウイルス病-コンゴ民主共和国(29)
2018年11月30日更新

 エボラウイルス病(EVD)の流行宣言から5ヶ月に達しており、撲滅に向けての挑戦は続いています。保健省やパートナーとの協力にもかかわらず、WHOはEVDのアウトブレイクに対して、引き続き焦点を合わせた、継続的かつ包括的な努力が必要です。保健省やWHO、そしてそのパートナーは、ブテンボ、Katwa、ベニ、カルングタなどを含むEVDが流行している地域に対して重点的に活動を続いています。

 報告期間(2018年11月21-27日)の間に、36人の新規患者が報告され、ベニで13人、Katwaで9人、カルングタで6人、ブテンボで6人、Kyondoで1人、Oichaで1人でした。KatwaとKyondoの2人の医療従事者が新たに感染しました。現在までに42人の医療従事者が感染しています。ベニ(6人)、ブテンボ(6人)の12人の生存者がエボラ治療センター(ETCs)を退院し社会復帰しました。125人の患者が現在までに回復しています。

 これまでの2ヶ月間、WHOはKatwa、ブテンボ、ベニ、カルングタなどのアウトブレイクの対応を進めてきました。ベニやカルングタにおける公衆衛生学的な感染コントロール対策の速報値が示されています。Katwaでは挑戦が続いています。着実に対策が進展しているにもかかわらず、これまで患者として登録されず、サーベイランスチームに追跡されてこなかった患者の割合が多いため、改善が必要です。1歳以下の小児が数多くEVDを発症していることが憂慮されます。今回のアウトブレイク以降、全体で新生児や2才未満の小児が36人報告されており、17人は妊娠婦でした。

 11月27日時点で、北キヴ州の11、イトゥリ州の3つの保健行政地区で242人の死亡例を含む422人のEVD症例(375人が確定例、47人が可能性の高い例)が、報告されました(図1)。新規患者の確定診断と報告が遅れることを考慮すると、ここ最近のデータについて、週単位でEVDの発生率の全体的な傾向を判断する際には、慎重に解釈しなければなりません(図2)。コンゴ民主共和国の他の州あるいは隣国に拡大するリスクは依然として非常に高い状態です。先週、南スーダンやウガンダから警報が発せられてきましたが、EVDはこれまでの全ての警報は解除されています。

図1:2018年11月27日時点での、コンゴ民主共和国の北キヴ州及びイトゥリ州の保健行政地区における、エボラウイルス病の確定例及び可能性の高い例(n=422)



図2:週ごとの新規発生エボラウイルス病の確定例及び可能性の高い例(2018年11月27日) (n=416)*


*ここ数週間のデータは、診断の確定と報告が遅延しつつあります。この時期の傾向は慎重に解釈する必要があります。


【出典】
WHO Emergencies preparedness, response
Ebola virus disease - Democratic Republic of the Congo
Disease outbreak news 29 November 2018
http://www.who.int/csr/don/29-november-2018-ebola-drc/en/