(No.7)

エボラウイルス病-コンゴ民主共和国(3)

2019年1月16日更新

 WHOとパートナーは、最も複雑な危険性がある状況の1つである進行中のエボラウイルス病(EVD)の発生に対応し続けています。 症例発生率の減少は、前の発生地であるベニで見られました。 これは、複数の課題があるにもかかわらず、対応がいかに効果的であるかを示す強い前向きな兆候です。 しかし、ベニおよびその他の地域では、不安定な情勢による対応活動の最近の一時的な混乱の後に、症例の遅れた発見報告が予想されるので、傾向は慎重に解釈する必要があります。 それにもかかわらず、WHOとパートナーは、政府の主導の下で、そして政府間の協力を通じて、課題に取り組み、流行を終わらせることに専念し続けています。
 2019年1月8日現在、累積患者数は628人で(診断確定例580人、可能性例48人)、その内383人が死亡しました(全体の症例致死率:61%)。これまでに222人が回復し、エボラ治療センター(ETC)から退院し、生存者の監視と支援のための専用プログラムに登録されました。
過去21日間(2018年12月19日~2019年1月8日)にアウトブレイクが続いている10か所の保健行政地域で症例が報告されています。カトワ(18人)ブテンボ(16人)オイチャ(13人)ベニ(13人)カルンガタ(6人)マバラコ(5人)コマンダ(3人)Musienene(2人)Kyondo(1人)Nyankunde(1人)。全体として、北キブ州とイトゥリ州にある16の保健行政地域の局所的な紛争地帯で症例が発生しています(図1)。 すべての地域で再興や再発を迅速に検出するためのサーベイランス活動が維持されています。
 発生件数の推移(図2)は、これらの地理的に分散した地域で発生が続いたことを反映しており、ベニなどの地域での症例発生率は減少しています。長期にわたる不安定な状況が封じ込め活動を妨げており、依然として多大な苦労によって得た成果が無に帰する可能性があります。
 診断確定例および可能性例のうち、61%(385人/628人)が女性、30%(189人/628人)が18歳未満の子供でした。 子供の多くは、1歳未満(38人)および1~4歳未満(58人)の乳児です。この不均衡な感染リスク要因を理解するための調査が進行中ですが、対応チームは可能な限りこれらの集団グループの感染リスクを軽減するために優先し続けます。
 流行地域、コンゴ民主共和国の他の州、近隣諸国のすべての警報について、監視と調査を続けています。 前回の報告が発表されて以来、ウガンダ、南スーダン、ルワンダのコンゴ民主共和国のいくつかの地域とブルンジからスウェーデンへ戻ってきた旅行者の警報について調査されました。 現在まで、EVDはアウトブレーク発生地域以外のすべての警報が除外されています。 コンゴ民主共和国で医療援助を提供した後にアメリカ合衆国に戻った医師を含む、ウイルスと接触した可能性のある海外からの旅行者もまた密接に追跡されています。 すべて無症状のままです。



図1.コンゴ民主共和国北キヴ州、イトゥリ州における保健行政地区ごとのEVD確定例および可能性の高い例の分布(2019年1月8日現在、累積総数628人)






図2.EVD確定例および可能性の高い例の発生数の週毎の変化(発症日でカウント)
 (2019年1月8日現在、累積総数628人)

【出典】
https://www.who.int/csr/don/10-january-2019-ebola-drc/en/
WHO Emergencies preparedness, response
Disease outbreak news: Update 10 January 2019