(No.12)

エボラウイルス病-コンゴ民主共和国(5)

2019年1月29日更新

 保健省(MoH)、WHO、そしてそのパートナーは、コンゴ民主共和国におけるエボラウイルス病(EVD)の大規模流行に対する封じ込め及び制御に対する挑戦に、向き合い続けています。対策チームが地域社会からの不信感に直面しているKatwa保健行政地区では、エボラウイルス病の新規患者の発生数が、ここ最近著しく増加しています。大規模流行は、また南方のKayina保健行政地区に拡大しつつあり、そこは大変安全上のリスクが高い地域です。対策チームは現在、地域社会からの信頼を構築し、これらの新規の患者集団に対するより一層の支援活動を拡大するために、積極的に活動しています。

 図1は2019年1月22日までに、合計で713人のEVD患者(確定例664人、可能性の高い例49人)が発生し、439人が死亡(全患者数での致死率は62%)したことを示しています。これまでに247人の患者がEVD治療センター(ETC)から退院し、そのうち多くの人が、生存者を観察・支援する専用プログラムに登録されています。年齢・性別が報告された症例のうち、59%の患者(420/710人)が女性であり、30%の患者(214/708人)の患者が18歳未満でした。その中には、108人の乳幼児と5歳未満の小児が含まれています。これまでに、61人の医療従事者が感染しています。

 過去21日間(2019年1月2日-1月22日)の間に、102人の新規患者が13の保健行政地区から報告され(図2)、内訳はKatwa (62), Butembo (12), Oicha (6), Kayina (5), Beni (2), Manguredjipa (3), Kyondo (3), Kalungata (2), Komanda (1), Musienene (2), Biena (2), Mabalako (1), and Vuhovi (1)です。ButemboやKatwaの現在流行が起こっている地域は、100万人規模の都市部です。Katwaで報告された148人のうち、半数未満(55/148人)の患者しか、発症時に診療録に患者との接触歴のある人として登録されておらず、さらに患者の10%(14/148人)が医療従事者でした。そしてそのような医学知識を持っている人達のうち、42%(45/107人)がEVDの発症前数週間に葬儀に参列していました。まとめると、これらの数字は、Katwaにおける患者の増加は医療施設での感染と地域社会での感染の両者によって引き起こされているということを示しています。保健センターにおける感染予防や管理、医療従事者や最前線の現場で働く者への予防接種、そして安全で威厳のある埋葬行為などの健康保護と管理対策は、感染の連鎖を断ち切るために強化されています。


図1:週ごとの新規発生エボラウイルス病の確定例及び可能性の高い例(2019年1月22日) (累積総数713)*



※ここ数週間のデータは、診断の確定と報告が遅延しつつあります。この時期の傾向は慎重に解釈する必要があります。

図2:2019年1月22日時点での、コンゴ民主共和国の北キヴ州及びイトゥリ州の保健行政地区における、エボラウイルス病の確定例及び可能性の高い例(累積総数713)


 (2019年1月22日現在、累積総数713人)



【出典】
https://www.who.int/csr/don/24-january-2019-ebola-drc/en/
WHO Emergencies preparedness, response
Disease outbreak news: Update 24 January 2019