(No.15)

エボラウイルス病-コンゴ民主共和国(6)

2019年1月31日更新

 保健省(MoH)、WHO、そしてそのパートナーは、活動に影響を与える安全や地域社会の不信感に対して絶えず挑戦し続けながら、エボラウイルス病(EVD)の大規模流行に対応し続けています。ここ数週間、比較的多数の新規症例が報告されており(図1)、多くはKatwa保健行政地区での大規模流行によるもので、現在の活動の大きな焦点となっています。小規模な患者集団がBeniやOichaを含むKatwa保健行政地区を越えて報告され続けています。しかし、対策チームは、これらの患者集団に迅速かつ系統的に対応し、EVDの伝播とさらなる流行地域の拡大を防ぎました。対策チームはまた流行地域における、地域社会からの信頼と支援活動への参加をより強固にするため、積極的に活動しているところです。
 集団感染の宣言が出されてから、6ヶ月間EVDに対応しており、2019年1月29日までに465人の死亡例(全患者数での致死率は62%)を含む、合計752人のEVD患者(確定例698人、可能性の高い例54人)が報告されています。これまでに259人の患者がEVD治療センター(ETC)から退院し、生存者を観察・支援する専用プログラムに登録されています。年齢・性別が報告された症例のうち、59%の患者(439/750人)が女性であり、30%の患者(224/749人)の患者が18歳未満でした。その中には、115人の5歳未満の小児が含まれています。
 過去21日間(2019年1月9日-1月29日)の間に、118人の新規患者が11の保健行政地区から報告され(図2)、内訳はKatwa (80), Beni (9), Butembo (7), Kayina (5), Manguredjipa (4), Oicha (4), Biena (3), Kyondo (2), Musienene (2), Komanda (1) そして Vuhovi (1)です。さらに、Komanda保健行政地区から、2018年11月の発症が疑われる、5人のEVD疑い例が報告されました。
 Katwa及びButembo保健行政地区における大規模流行は、一部は私立及び公立の保健センターにおける院内感染を通じて起こっています。2018年12月以来、これらの地域における86%(145人中125人)の患者が、EVDの発症前に医療施設を訪れたか医療施設で働いた経験がありました。このうち、21%(145人中30人)がEVDの発症前に医療施設に関係したと報告されており、院内感染の疑いを示唆しています。Katwaにおいて、過去3週間(1月9日以来)の間に、確定例の患者が入院した49の医療施設が特定され、その中には院内感染を起こした可能性のある9つの保健センターが含まれていました。さらに同時期に、Katwaで8人の医療従事者が新規感染者として報告されました。全体では、65人の医療従事者がEVDに感染しています。対策チームは、トリアージ、症例の発見、感染症の予防と制御のギャップに対応するため、これらの特定された医療施設の継続的に監視しています。


図1:週ごとの新規発生エボラウイルス病の確定例及び可能性の高い例(2019年1月29日) (累積総数752)*



※ここ数週間のデータは、診断の確定と報告が遅延しつつあります。この時期の傾向は慎重に解釈する必要があります。


図2:2019年1月29日時点での、コンゴ民主共和国の北キヴ州及びイトゥリ州の保健行政地区における、エボラウイルス病の確定例及び可能性の高い例(累積総数752)



【出典】
https://www.who.int/csr/don/31-january-2019-ebola-drc/en/
WHO Emergencies preparedness, response
Disease outbreak news: Update 31 January 2019