(No.17)

エボラウイルス病-コンゴ民主共和国(7)

2月7日更新

 コンゴ民主共和国におけるエボラウイルス病(EVD)は、最近の数週間では比較的多くの患者が報告されています(図1)。また有望な兆候も見られます。 最近の3週間では、KatwaとButembo保健行政地区で患者の71%が報告されています。また地理的に離れた地域で、小規模な患者群の発生が続いています。

 2月5日現在、789人のEVD患者<注1>(735人が確定例、54人が可能性の高い例)が報告され、そのうち488人が死亡例です(全体の致死率:62%)。これまでのところ、267人がエボラ治療センター(ETC)を退院し、専用の監視・支援プログラムに登録されています。年齢と性別が報告されている患者のうち、58%(454/788人)が女性で、30%(232/786人)が18歳未満でした。また5歳未満の子供116人が含まれています。新規の医療従事者感染 は5人、Katwa(4人)とKalunguta(1人)です。これまでに計67人の医療従事者が感染しています。

 この21日間(2019年1月16日-2月5日)で、13の保健行政地区から119人の患者が報告されました(図2)。すなわちKatwa(75人)、Butembo(9人)、Beni(8人)、Kyondo(5人)、Kayna(5)、Oicha(4人)、Manguredjipa(4人)、Biena(2人)、Malalako(2人)、Masereka(1人)、Mutwanga(1人)、Vuhovi(1人)<注2>。疫学的分析では、適切な感染予防と管理(IPC)が行われないこと、新規患者の発見・隔離の継続的な遅れ、頻繁に地域社会で死者が発生すること(その後に死者と接触すること)、家族間と地域社会で起きる感染伝播などが現在進行中の感染伝播の主要な要因として指摘されています。これらリスクに対する取り組みは、地域社会の抵抗や不安定さにより継続的に抑え込まれています。にもかかわらずEVD対策チームは、感染が発生している全ての地域において信頼と参加を強化しています。またKatwaや他の地域では、具体的な改善がみられ始めています。

 Komanda 保健地区は最も危険な感染期間が終わりました。 1月11日に最後の確定例が報告され、すべての接触者が最短の追跡期間を終了しました。しかしこの地域や過去に感染が発生した地域では、感染の再燃、再持ち込みを迅速に検出するための高度な警戒が維持される必要があります。



図1:2月5日現在の発症週数によるエボラウイルス病の確定例・可能性の高い例数(n = 789)

注1.最近数週間のデータは、患者確定や報告、データクリ-ニングの影響により遅れることがあります。この期間のトレンドについては、慎重な解釈が必要です。

注2 .Komanda保健地区で発生した5人の可能性が高い例(2018年11月に全員死亡)は、患者の後ろ向き分類の後、2019年1月21日から27日の週の間に報告されました。



図2:2月5日現在、DRC北キヴ州およびイトゥリ州の保健地区別のEVD確定例・可能性の高い例数(n = 789)


【出典】
Ebola virus disease - Democratic Republic of the Congo
Disease outbreak news: Update
7 February 2019
https://www.who.int/csr/don/07-february-2019-ebola-drc/en/