(No.24)

エボラウイルス病(EVD)―コンゴ民主共和国(9)

2019年2月21日更新

 エボラウイルス病(EVD)のアウトブレイクは現在も中等度に継続しています。KatwaやButemboの保健行政地区はその中心地域にあたります。また同時に地理的には離れたあちこちの地域で小集団発生が認められています。過去3週(2019年1月30日から2月19日)の間に79人の新規患者が12の保健行政地区内の40の小地区で発生しています。(図1)それらはKatwa(46人)、Butembo(15人)、Kyondo(4人)、Vuhovi(4人)、Kalunguta(2人)、Oicha(2人)、Biena(1人)、Mabalako (1人)、Manguredjipa(1人)、Masereka(1人)、Mutwanga(1人)Rwampara(1人)となっています。

 Beniからは新たな患者の報告は過去3週間ありませんでした。この地域での過去のアウトブレイクの強さを考慮すると、そのことは大きな成果です。どの地域においても(図2)患者の発生動向を見ると期待が持てます。しかし他の示標(コミュニティーにおける死亡率が高止まりであること、患者の発見があいかわらず遅延していること、患者の多くがその地域内で移動していること、監視中の接触者数が相対的に少ないこと等)をみてみると流行の見られる地域において、感染連鎖のさらなる危険性があることを示しています。対策チームはさらなる感染伝播の防止と新規患者の迅速な発見のために患者と接触者追跡活動が低下しているすべての地域において高度の警戒活動を継続していかなければなりません。

 2月19日現在、848人のEVD(783人は診断確定患者、65人は可能性の高い患者)が報告されています。そのうち57%(485人)は女性で、30%(258人)が18歳以下の子供です。累積数として患者は19の保健行政地区内にある301の小地区中119小地区から報告されています。先週の患者データベース更新により、死亡者数、エボラ治療センター(ETC)を退院した患者数はこれまでで529人の死亡(患者の死亡率62%)および257人の生存数と報告されています。

 現在進行中の活動を補完するために保健省はGoma に戦略統括センターを立ち上げています。この新しいセンターはすべての流行地域で活動をしている下位の統括チームと密接な協力をして活動のモニターや活動への協力を実施していきます。Goma の戦略統括センターの活動はフィールドでの活動能力に不利な影響を与えるものではありません。WHOとそのパートナーはBeni,Butembo,Bunia,での全面的な活動を継続しており、フィールドでの活動が有効に働くように流行しているすべての保健行政地区に駐在している状況です。




図1コンゴ民主共和国北キヴ州、イトゥリ州における保健行政小地区毎のEVD診断確定例、および可能性の高い例の分布。(2019年2月18日現在)





図2.EVD診断確定患者および可能性の高い患者の週毎の発生数(症状出現した週でカウント、2019年2月19日現在)最後の何週かのデータは症例の診断確定や届け出の遅延等、データ更新中などの理由から必ずしも傾向を正しく反映できていない可能性があり、解釈に注意が必要です。

【出典】https://www.who.int/csr/don/21-february-2019-ebola-drc/en/
WHO Emergencies preparedness, response
Ebola virus disease -Democratic Republic of the Congo