(No.25)

伝播型ワクチン由来ポリオウイルス1型(2)-インドネシア

2月27日更新

 2月12日、インドネシアのパプア州で伝播型ワクチン由来株の1型ポリオウイルス(cVDPV1)が確認されました。2018年11月27日に麻痺が発症した急性弛緩性麻痺(AFP)の子供と健康な地域での接触者で2019年1月24日に採便された子供の便から遺伝子学的に繋がりのあるVDPV1が分離されています。便からVDPVが分離された無症状の子供は2018年11月27日に麻痺を発症した患者とは3-4Kmも離れたところに居住しています。パプア州はパプアニューギニアと接している州ですが、最近のこの隣国でのcVDPV1のアウトブレイクとは関連はありません。

 インドネシアで直近に実施された国家予防接種デー(NID)は2016年3月のことで(3価経口ポリオワクチンが2価経口ポリオワクチンに変更*されるより以前に)3価経口ポリオワクチン(OPV)が使用されました。パプア州では2価経口ポリオワクチンとMRワクチン接種が2018年末に追加予防接種活動(SIA)として実施されました。さらに最近のパプアニューギニアにおけるcVDPV1アウトブレイクへの対策としてインドネシアの保健省はすでに国境におけるワクチン接種部署を設置してパプア州の環境監視を開始しました。またポリオアウトブレイク対策プランを試すために訓練を実施しました。しかしパプア州におけるポリオワクチンの接種率は低値のままとなっています。(2016年追加予防接種活動での接種率は77%で2018年は72%です。2017年における全体でのOPV接種率は68.2%で2018年では40.8%にとどまっています。)

*(経口生ポリオワクチン(OPV)、主に3価OPVの普及に伴い、2型WPVによる急性弛緩性麻痺(AFP)は1999年以降、3型WPVは 2012年11月以降確認されていなません。一方、ワクチン普及率が低い地域では、OPV由来ウイルスが市中で複製を繰り返しているうち変異を生じ、ワクチン由来ポリオウイルス(VDPV)となってごく稀にAFPを引き起こします。このほとんどが市中で伝播している伝播型2型ワクチン由来ポリオウイルス(cVDPV2)によるものです。このため、普及している3価OPVの使用を中止し、1型と3型ポリオウイルスを含む2価OPVへの転換が計画されています。)

【出典】https://www.who.int/csr/don/27-february-2019-polio-indonesia/en/
WHO Emergencies preparedness, response
Circulating vaccine-derived poliovirus type 1 - Indonesia