(No.27)

エボラウイルス病-コンゴ民主共和国(10)
2019年2月28日更新

 

 
 エボラウイルス病(EVD)のアウトブレイクは、中程度で継続しています。KatwaやButemboは、依然として流行が継続している主要な保健行政地区であり、同時に、地理的に離れた様々な地域で小規模な患者集団が発生し続けています。過去21日間(2019年2月6日~26日)の間に、9の保健行政地区にある33の小地区から、77人の新規患者が報告されています(図1)。それらはKatwa(45人)、Butembo(19人)、Vuhovi(4人)、Kyondo(3人)、Kalunguta(2人)、Oicha(1人)、Beni(1人)、 Mandima (1人)、Rwampara(1人)となっています。

 患者の発生動向は減少傾向です(図2)。しかし、調査によって患者との接触者であることが判明したEVD確定患者や新規の比較的小人数の患者のうちで、高い死亡率が報告されていることは、流行がみられる地域において、更なる感染伝播が起こるリスクを増大させる可能性があります。対策チームは、新規の患者発生を迅速に発見し、更なる感染伝播を防ぐために、患者の発生動向が減少している地域であっても、流行が活発に続いている地域と同様に、高いレベルの警戒を全ての地域にわたって維持しなければなりません。KatwaやButemboにある治療センターで今週また攻撃が発生したため、WHOやそのパートナー達は、患者やスタッフの安全を確保しています。このような出来事が起こると、多くのレベルにおいて活動の妨げとなり、また地域での流行に対する監視活動が妨害される可能性があります。

 2月26日現在、879人のEVD患者(確定例814人と可能性が高い例65人)が報告され、うち57%(499人)が女性であり、30%(264人)が18歳未満の子供でした。19の保健行政地区にある301の小地区のうち119の地区から、多くの患者が報告されてきました。全体としては、553人の死亡(全患者での致死率は63%)が報告され、2019年2月19日までに257人の生存者が報告されています。死亡者とエボラ治療センター(ETCs)から退院した死亡者数および生存者数を訂正するため、患者データベースを継続的に更新し続けています。

図1コンゴ民主共和国北キヴ州、イトゥリ州における保健行政小地区毎のEVD診断確定例、および可能性の高い例の分布。(2019年2月23日現在)


図2 :EVD診断確定患者および可能性の高い患者の週毎の発生数(2019年2月26 日現在)



情報源:コンゴ民主共和国保健省

※ここ数週間のデータは、診断の確定と報告が遅延しつつあります。この時期の傾向は慎重に解釈する必要があります。


【出典】
https://www.who.int/csr/don/28-february-2019-ebola-drc/en/
WHO Emergencies preparedness, response
Disease outbreak news: Update 28 February 2019