感染症情報

感染症の解説 チクングニア熱とは

 チクングニア熱は、チクングニアウイルスによる感染症です。ヤブ蚊によってヒトに感染します。
 「チクングニア」とは、アフリカの現地語で「かがんで歩く」という言葉に由来し、この病気による関節の痛みが強いことを表しています。

●発生地域

 チクングニア熱はアフリカ、アジア、インド亜大陸の熱帯~亜熱帯地域で広く発生しています。
 この数十年間でチクングニア熱はヨーロッパ及び南北アメリカにも広がり、現在では60か国以上で発生が確認されています。

●感染経路

 チクングニアウイルスは、ウイルスを持っているヤブ蚊(デングウイルスやジカウイルスを媒介するのと同じ蚊)に刺されることで感染します。

 デングウイルスに感染しているヒトをヤブ蚊が刺す(吸血する)と、蚊の体内にウイルスが入り、7-10日ほどかけて蚊の体内でウイルスが増殖します。その蚊が再びヒトを刺すと、今度はヒトの体内にウイルスが侵入し感染します。

 代表的なヤブ蚊にはヒトスジシマカネッタイシマカがありますが、このうちヒトスジシマカは日本にも多数生息しています。

 チクングニアウイルスはヒトからヒトへ直接感染することはありません

●症状

 蚊に刺されてウイルスがヒトの体内に侵入してから2-12日の潜伏期間(通常は2-4日)の後、感染したヒトの一部が発症します。

 38-40℃の発熱、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛などが現れます。
 関節痛は激しく、手首、足首、指、膝、肘、肩などにみられます。また、関節痛は数か月以上にわたって続くことがあります。

 結膜炎や神経系の症状もみられ、出血しやすくなることもあります。
 死亡することはまれです。

 デング熱と症状が非常によく似ており、検査をしない限りデング熱かチクングニア熱かを区別することはできません。

●治療法

 ウイルスに対する特異的な治療法はなく、発熱や痛みに対する対症療法のみです。

 ただし、チクングニア熱では血小板が減少して出血を起こしやすくなるので、血小板に影響するサリチル酸系と呼ばれる解熱鎮痛薬(アスピリンなど)は使用できません。

●予防法

 ワクチンや予防薬はまだ開発されていません。

 唯一の予防法は、蚊に刺されないことです。流行地へ渡航する場合は、蚊に刺されないよう充分な予防策をとりましょう

【参考】

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