感染症情報

感染症の解説 デング熱とは

 デング熱は、デングウイルスによる感染症です。ヤブ蚊によってヒトに感染します。

●発生地域

 デング熱は全世界の熱帯~亜熱帯地域で広く発生しています。
 媒介する蚊がヒトの密集した場所を好むことから、都市部などで特に発生しやすい疾患です。

●感染経路

 デングウイルスは、ウイルスを持っているヤブ蚊(ジカウイルスやチクングニアウイルスを媒介するのと同じ蚊)に刺されることで感染します。

 デングウイルスに感染しているヒトをヤブ蚊が刺す(吸血する)と、蚊の体内にウイルスが入り、7-10日ほどかけて蚊の体内でウイルスが増殖します。その蚊が再びヒトを刺すと、今度はヒトの体内にウイルスが侵入し感染します。

 代表的なヤブ蚊にはヒトスジシマカネッタイシマカがありますが、このうちヒトスジシマカは日本にも多数生息しています。2014年8-9月にかけて東京・代々木公園を発端に日本国内に一時的に拡がったデング熱は、ヒトスジシマカが媒介したと考えられています。

 デングウイルスはヒトからヒトへ直接感染することはありません

●症状

 蚊に刺されてウイルスがヒトの体内に侵入してから2-15日の潜伏期間(通常は3-7日)の後、感染したヒトのうち2-4割が発症します。

 38-40℃の発熱、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、眼窩痛などが現れます。頭痛や関節痛などの痛みは激しく、英語ではbreak bone fever(骨が折れたかのような痛みが出る熱)とも呼ばれています。
 また、発症3-4日後から全身に発疹が出現します。

 殆どの場合、これらの症状は1週間程度で自然に治ります。後遺症はありません。

 デング熱を起こすウイルスには、1型、2型、3型、4型の4種類があります。
 1つの型に感染した後はその型に対する免疫が生涯続きますが、他の型への免疫は一時的(数か月)しか続きません。
 2回目に他の型のウイルスに感染したときに、0.5-1%程度の患者がデング出血熱デングショック症候群と呼ばれる重症の状態になります。重症になった患者の1-数%が死亡します。

●治療法

 ウイルスに対する特異的な治療法はなく、発熱や痛みに対する対症療法のみです。

 ただし、デング熱では血小板が減少して出血を起こしやすくなるので、血小板に影響するサリチル酸系と呼ばれる解熱鎮痛薬(アスピリンなど)は使用できません。

●予防法

 安全かつ効果が高いワクチンはまだありません。一時海外で承認されて使用されたワクチンはありましたが、ワクチン接種者の中から上記の重症のデング患者が発生しやすいことがわかったため、使用中止となりました。

 現状では、蚊に刺されないことが唯一の予防法です。流行地へ渡航する場合は、蚊に刺されないよう充分な予防策をとりましょう

【参考】

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