感染症情報

感染症の解説 ラッサ熱とは

 ラッサ熱は、ラッサウイルスによる感染症です。

●発生地域

 ラッサ熱は西アフリカ一帯(ギニア、シエラレオネ、リベリア、コートジボワール、ガーナ、トーゴ、ベナン、ナイジェリアなど)で毎年発生しています。

ラッサ熱発生地域WHO2018

●感染経路

 西アフリカ一帯に生息する野ネズミ「ヤワゲネズミ(英名マストミス)」が、体内にラッサウイルスを持っています。
 ヤワゲネズミそのものはラッサウイルスで病気になることはありませんが、ネズミの排泄物や唾液の中に大量のラッサウイルスが含まれます。そのため、このネズミに触ったり咬まれた場合に、あるいはネズミの排泄物や唾液が混ざった塵(ちり)やほこりを吸い込むことで、ヒトがラッサウイルスに感染します。

 また、ラッサ熱を発病したヒト患者の血液や体液に触れることでも感染します。

●症状

 ヤワゲネズミやラッサ熱患者に接触して感染しても、80%程度のヒトは発症しないとされています。

 発症者は、感染から7-18日間の潜伏期間を経て、突然の高熱(39-41℃)で発症します。さらに数日かけて悪化し、全身の関節痛、腰痛、頭痛、咳、のどの痛み、嘔吐、下痢などが出現します。
 症状だけでラッサ熱と他の病気を区別することはできず、診断には専門的な検査が必要です。

 発症者の20%程度が重症化し、顔や頭部のむくみ、消化管(胃腸)からの出血、脳炎や心のう炎を生じ、死に至ります。
 また、快復後も約25%で難聴が残ります。

 いったん快復した2-3か月後に再び症状が出ることもあります。

●治療法

 発症から6日以内にリバビリンという抗ウイルス薬を注射することで致死率は劇的に下がり、全体の致死率は1%程度です。
 しかし、重症化した場合の致死率は15%程度にのぼります。

●予防法

 ワクチンはありません。

 流行地に滞在中は、ヤワゲネズミに触ったり咬まれたりしないよう、またネズミの排泄物や唾液が生活物品に付着しないような工夫(室内の清掃、生ゴミなどの適切な廃棄など)が必要です。

 ラッサ熱患者を診察する医療従事者が感染することもあるため、患者の血液や体液に触れることがないよう、適切な予防策(標準予防策+接触感染予防策)を徹底することも重要です。

【参考】

感染症情報のページへ戻る