感染症情報

感染症の解説 黄熱とは

 黄熱は、黄熱ウイルスによる急性の熱性疾患です。“黄(色)”の名前は、重症化したときに黄疸が起きて体が黄色くなることに由来しています。
 (※病名は「黄熱(おうねつ)」であり、「× 黄熱」とは呼びません)

●発生地域

 黄熱は、アフリカ大陸南アメリカ大陸の、どちらも赤道を挟んだ北緯15度~南緯15度付近の国・地域で常時発生しています。
 アジア、ヨーロッパ、北アメリカ大陸、大洋州にはありません。

 詳細な発生地域は、黄熱ワクチンの接種推奨地域として世界保健機関(WHO)の公式サイト内で公開されています。

世界保健機関WHOによる黄熱ワクチン接種推奨地域(黄熱発生地域)

 後述のように軽症者も多いため、正確な感染者数は把握が困難です。
 重症患者については、WHOによる試算では、例として2013年の1年間においてアフリカ全体で黄熱による重症患者が84,000-170,000人発生し、そのうち29,000-60,000人死亡したと推定されています。

●感染経路

 黄熱ウイルスをもった蚊に刺されることで感染します。

 黄熱ウイルスはヒトだけでなく、熱帯雨林などの森林に住むサル(霊長類)にも感染し、森林の蚊とサルの間で黄熱ウイルスが受け渡され続けています。そうした森林にヒトが立ち入ってウイルスを持った蚊に刺されると、ヒトも感染します

 熱帯地域の都市部にもウイルス媒介能力のある蚊が生息しています。森林でウイルスに感染したヒトが、都市部などの人口密集地域に移動すると、今度は都市部の蚊がヒトからヒトへ黄熱ウイルスを伝播します。その地域の人たちが黄熱の予防接種をしていない場合、蚊がウイルスをヒトからヒトへ連続して伝播し、黄熱の大流行が発生します

●症状

 蚊に刺されて黄熱ウイルスが体内に侵入すると、3-6日間の潜伏期間を経て、発熱、筋肉痛、関節痛、頭痛、悪寒、食欲減退、嘔気、嘔吐などの症状が現れます。

 発症者の8割以上は、3-4日後には自然に快復します。
 しかし、15%程度の患者では、ほんの数時間程度の快復期の後に、重症化します。再び高熱となり、肝臓や腎臓などの内臓が障害され、黄疸(病名の由来)、黒い尿、腹痛、嘔吐などが現れます。重症化した患者の約半数が7-10日以内に死亡します

●治療法

 ウイルスに対する特異的な治療法は一切なく、症状に応じた対症療法しかありません。

●予防法

 有効なワクチンが実用化されています。WHOが承認したワクチン1回接種することで、生涯にわたって感染を予防することができます

 黄熱ワクチンについては当検疫所のご案内、および厚生労働省検疫所FORTHの情報をご参照ください。

 また、蚊に刺されないよう十分な対策が必要です。

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