名古屋検疫所 | Estação de Quarentena de Nagoya | Nagoya Quarantine Station

海外渡航での注意点

海外渡航での大事な注意点をまとめました。
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 蚊は「1年あたりで最もたくさんヒトを殺している生き物」と言われています。
 ジカウイルス感染症、デング熱、チクングニア熱、マラリア、黄熱などは蚊が媒介する感染症です。ワクチンや治療法があるのはこれらの感染症の一部だけであり、これらに対する最も重要な予防法は蚊に刺されないような虫除け対策です。

 以下に詳しくご説明しましょう。

服装

 まず服装が大事です。

 長袖で、ゆったりした生地のシャツとズボンを着ましょう。長袖は肌の露出を少なくするため、ゆったりした生地を選ぶのは服の上から蚊の刺し口が肌まで届かないようにするためです。皮膚の露出を少なくするために、半袖、半ズボン、スカートなどはできる限り避けましょう

 虫除け剤を染み込ませたジャンバー、パーカーなども市販されています。繰り返し洗濯しても効果が落ちにくいものを選びましょう。

宿泊施設にて

 ホテルを選ぶときは、窓に網戸がしっかり取り付けられている、エアコン完備の施設を探しましょう。
 蚊の駆除対策をしっかりしていることをウェブサイトなどでアピールしているかどうかも大事なポイントです。

 日本から電気式虫除け器などを持参して使うのもよいでしょう。電圧やコンセントの形状の違い、液体式の場合は機内持込荷物での制限などにご注意ください。

 一部地域では、虫除け剤を染み込ませた蚊帳現地で販売されています。長期滞在などの場合は、そうした蚊帳をベッド周りで使用すると尚良いでしょう。

虫除け剤を使う

 長袖長ズボンを着ていても、顔、首、手などは露出してしまいます。
 また、どうしても暑い地域では、半袖等を着て肌を広く露出せざるを得ないこともあるでしょう。

 露出した肌には、虫除け剤を丁寧に、かつ、繰り返し塗布する必要があります。

 虫除け剤には複数の成分がありますが、ディート(DEET)またはイカリジン(Icaridine、国によってはPicaridineと表記)の効果と安全性がよく確かめられており、おすすめできます。

 日本ではいずれも液体スプレー等の形で販売されています。露出した肌に吹き付け、まんべんなく塗り伸ばしましょう。特に、腕の裏、ももや膝の裏などで塗りムラが出やすいので気を付けましょう。

 ただし、目や鼻、口の粘膜、傷口には塗ってはいけませんに塗る場合は、いったん手のひらに取ってから、目、鼻の穴、口の周りを避けて慎重に塗り伸ばしましょう。傷口の周囲も同じように気を付けて塗りましょう。

 これらの虫除け剤は、濃い(濃度が高い)方が効果が長持ちします。2019年時点で日本で市販されているディート製剤は最高30%、イカリジン製剤は最高15%です。ディート30%およびイカリジン15%は、どちらも同じく5-8時間程度虫除け効果が続きます
 詳しい効果持続時間については、それぞれの製品の注意書きをよく読んでください。

 虫除け効果が切れる前に、同じように塗り直しましょう。5-8時間持続するタイプの場合、起きてから寝るまでの間に2-3回は塗り直しが必要です。

 子どもへの使用については、それぞれの製品の注意書きをよく読んで正しく使いましょう。

 なお、日焼け止めと一緒に使う場合は、①日焼け止めを先に、②虫除け剤を後に(日焼け止めの上に重ねて)、塗りましょう。順番を間違えた場合は、シャワーなどでよく洗い流してから塗り直しましょう。

蚊の種類による違いを知る

 蚊の種類によって、うつされる病気が異なり、生息場所や行動パターンも異なります。それぞれの蚊の癖を知って、活動場所や時間帯によって注意しましょう。

◆デング熱、ジカウイルス感染症、チクングニア熱をうつす蚊

  • 都市部などの人口密集地域に生息する
  • 民家や宿泊施設の庭先や室内に潜む
  • 日中の明るい時間帯にヒトを刺す

◆マラリアをうつす蚊

  • 水田地帯や農村部の沼の近くに生息する
  • やぶの中に潜む
  • 夕方から夜にかけてヒトを刺す

 旅行先での病気の多くが、食べ物や水、飲み物からうつります。

手をこまめによく洗いましょう

 病原微生物は、ヒトの手やからだ、動物のからだ、土や地面、川や湖や海など、あらゆるところに潜んでいます。それらから食べ物に付いたり自分の手に付いたりして、自分の口に入ります

 手に付いてしまった病原微生物が口に入ることを防ぐために、こまめに手をよく洗いましょう
 特に海外で何かを飲んだり食べたりする直前には、必ず清潔な水道水と石けんでたっぷりと手を洗いましょう。水道水が清潔ではなかった場合は、手洗いの後で手のアルコール消毒も行いましょう。ジェル状の携帯用アルコール消毒剤などが市販されていますので、日本から持参しましょう。

生水、安全でない水道水は決して飲まないようにしましょう

 「海外では生水は飲まない」ということは広く知られていることです。生水とは、煮沸していない水(水道水など)のことを指します。

 日本の水道は消毒や水質管理が厳格にされており、国内のどの地域でも水道水をそのままでも安全に飲むことができます。
 しかし、海外の殆どの国・地域では、水道水に何らかの病原微生物が混ざっているおそれがあり、水道水を生水のままで(煮沸しないで)飲むことは危険です

 海外では、しっかりと蓋が封印されたボトル詰め(ペットボトル、ガラス瓶など)のミネラルウォーターを購入して飲むようにしましょう。
 歯磨きうがいにもそうしたミネラルウォーターを使いましょう。

 やむを得ず水道水を飲む場合は、1分間以上煮沸(沸騰)させてから湯冷ましを飲みましょう。なお、標高が高ければ高いほど煮沸時間は長くする必要があります。
 煮沸が難しい場合は、飲料水用の消毒剤を使用しましょう。これは決められた量を生水に混ぜることで安全に飲めるようになるものです。

氷を使わない、氷入り飲料を飲まないようにしましょう

 海外では殆どの場合、氷は生水のままの水道水から作られています。氷を作る程度の低温では、大半の病原微生物は死滅しません。
 決して氷は使わない、氷入り飲料は買ったり注文したりしないようにしましょう。

十分に火が通ったものを食べましょう

 殆どの病原微生物は、十分な温度で十分な時間加熱すれば、死滅します。レストランなどでは十分加熱された料理を注文しましょう。

 ただし、いったん加熱された料理でも、時間が経って冷めることで再び病原微生物が増殖します。ビュッフェなどでは、高温で保存されているか冷蔵されている食材を選びましょう。
 また、加熱した食材が、生の食材と隣り合って接していないかもよく確かめましょう。

生野菜、サラダ、切って出された果物は避けましょう

 新鮮な生野菜やサラダも、水道水で洗われていればやはり病原微生物が付いているおそれがあります

 また、切って出された果物(カットフルーツ)は、洗った水道水やカットした包丁、調理した人の手などに病原微生物が付いているおそれがあります

 海外では生野菜やサラダは極力避けましょう。また果物は皮が付いたままのものを購入し、まず手とナイフを石けんでよく洗い、次に安全な水で皮の表面をよく洗ってから、自分自身で皮を剥いて食べるようにしましょう。