○その他の情報(12月20日更新)
 *中国
 在重慶日本国総領事館のホームページに、領事館管内の主な「疾病予防控制中心(日本における保健所に
相当する機関)」の所在地、連絡先等が掲載されています(重慶市、四川省、雲南省、貴州省)。
在重慶日本国総領事館ホームページ





○その他の情報(12月12日更新)
 *中国:
 在中国日本国大使館によると、「2005年の中国における伝染病の発症者、死亡者数」では、死亡者の1位は
結核、2位は狂犬病、3位はエイズで、このうち狂犬病による死亡者は約2500人で、伝染病による死亡者の20%
を占めているとのことです。
 中国の狂犬病発生者分布は、貴州省(年間483件)、広西自治区(480件)、湖南省(384件)、広東省(308件)、
湖北省(184件)の順で、この5省で全国の72%を占めており、日本人が感染した情報はないとされています。
在中国日本国大使館ホームページ

 *タイ:
 在タイ日本国大使館によると、タイでは年間10名から20名が死亡しており、曝露後予防接種(犬などに咬まれた
後の接種)も年間数十万人あるとされています。また、今年の犠牲者は全て曝露後接種をしていなかったことが
判明しています。
在タイ日本国大使館ホームページ





                                                   平成18年12月7日

 フィリピンで犬にかまれて狂犬病を発症し、重体だった横浜市在住の60歳代の男性が12月7日未明に
死亡した。




 
          狂犬病発症2例目!!
 
                      (フィリピンから10月22日に一時帰国の横浜市男性)

                                                    平成18年11月22日


                狂犬病を発症した患者(輸入感染症例)について


 今般、フィリピンより帰国した横浜市の男性が、現地で狂犬病ウイルスに感染し、国内で発症したことが確認
されましたので、その経過等についてお知らせします。

1.患者に関する情報

  @ 年齢・性別 60歳代 男性
  A 経過
    10 月22 日フィリピンより帰国。
    11 月15 日風邪様症状と右肩の痛みが発現。
    11 月19 日A病院を受診。点滴及び血液検査を受け帰宅。夕方薬を服用しようとしたが、飲水困難となる。
           夜になり呼吸困難を呈する。
    11 月20 日A病院に再度受診。興奮状態となり、恐風症状及び恐水症状を呈していることから、狂犬病の
           疑いがあるとしてB病院に転院。
    11 月22 日現在、人工呼吸器を装着。

  B 感染原因

    当該患者は、フィリピン滞在中(8月頃)、犬に手を咬まれており、これにより狂犬病に罹患したと判断
   される。
    なお、現地における暴露後のワクチン接種は受けていない。

2.検査に関する情報

  国立感染症研究所において、PCR法による病原体の遺伝子の検出を試みたところ、狂犬病ウイルス遺伝子
 を確認。

  以上の検査結果及び臨床症状等を踏まえ、担当医師により狂犬病と診断され、今朝、管轄保健所に感染症法
 に基づく届出がなされたものである。

3.厚生労働省の対応

  輸入感染事例の報告を受けて、検疫所等における渡航者向けの一層の注意喚起を行うとともに、医師に対す
 る診断方法等の情報の周知を図ることを予定している。





                                                     平成18年11月17日


                  狂犬病を発症した患者(輸入感染症例)について


 今般、フィリピンより帰国した京都市の男性が、現地で狂犬病ウイルスに感染し、国内で発症したことが確認
されましたので、その経過などについてお知らせします。

1.患者に関する情報

  @ 年齢・性別   60歳代 男性
  A 経過
    11 月 1 日フィリピンより帰国。
    11 月 9 日風邪様症状を呈しA病院を受診。
    11 月12 日水が飲みにくく風が不快との症状によりB病院を受診。脱水症状が認められたことから、点滴
           を受け帰宅。
    11 月13 日幻覚症状を呈し、再度B病院を受診。恐水及び恐風症状が確認され入院。
    11 月14 日人工心肺で処置。
    11 月17 日未明に死亡。
  B 感染原因
    当該患者は、フィリピンに渡航中(8 月末)、犬に手を咬まれており、これにより狂犬病に罹患したと判断
   されます。
    なお、現地における暴露後のワクチン接種は受けていないもようです。

2.検査に関する情報

  国立感染症研究所において、PCR法による病原体の遺伝子の検出を試みたところ、狂犬病ウイルス遺伝子
 を確認されました。

  以上の検査結果及び臨床症状等を踏まえ、担当医師により狂犬病と診断され、16日、管轄保健所に感染症法
 に基づく届出がなされました。

3.厚生労働省の対応

  11月16日、検疫所、自治体及び日本医師会に対し、狂犬病の流行地域に渡航する者に対して感染防止の
 ための注意喚起を行うとともに、流行地域で動物に咬まれた者への暴露後ワクチン接種等の対応について、
 周知徹底を通知しました。

 
(注)狂犬病は、通常、ヒト−ヒト感染することはなく、感染した患者から感染が拡大することはありません。



   海外でイヌやネコなどに咬まれないように気をつけましょう!

      
咬まれて発病したら治療法はなく、ほぼ100%死亡します




(参考資料)

  狂犬病について


1 病原体:狂犬病ウイルスrabies virus

2 感染動物:全ての哺乳類(アジアでは犬が主な感染源)
(1)アジア及びアフリカ
   イヌ、ネコ
(2)西欧諸国及び北米
   キツネ、アライグマ、スカンク、コウモリ、ネコ、 イヌ
(3)中南米
   イヌ、コウモリ、ネコ

3 感染経路:通常は罹患動物による咬傷の部位から、唾液に含まれるウイルスが侵入。通常、ヒトからヒトに
感染することはなく、感染した患者から感染が拡大することはありません。

4 発生状況:日本、英国、スカンジナビア半島の国々など一部の地域を除いて、全世界に分布しています。

   ※ 狂犬病の発生がない地域について
       平成18 年11 月16 日現在、厚生労働省が狂犬病の発生していない地域として指定しているのは
      以下の地域です。
           台湾、オーストラリア、グアム、ニュージーランド、フィジー、ハワイ諸島、
           アイスランド、アイルランド、英国、スウェーデン、ノルウェー

(1)世界の発生状況(WHO、2004年)
    年間の死亡者数推計 55,000人
     (うち、アジア地域31,000人、アフリカ地域24,000人)
    年間の暴露後ワクチン接種者数推計 1千万人

(2)フィリピンにおける発生状況(WHO、2000年から2004年)
          2000年   2001年   2002年   2003年   2004年
 死亡者数    359人   293人    269人    258人    248人
 犬の発生数   不明   2,550頭   2,365頭   1,901頭   1,546頭

(3)我が国における発生状況
          1953年   1954年   1955年   1956年   1957年以降
 死亡者数     3人     1人     0人      0人     発生なし(※)
 犬の発生数  176頭    98頭     23頭      6頭     発生なし

      ※1970年に狂犬病発生地(ネパール)を旅行中犬に咬まれ帰国後発病、
      死亡した輸入症例が1例あり。

5 潜伏期:1〜3ヶ月程度

6 診断と治療

(1)臨床症状
  前駆期; 発熱、食欲不振、咬傷部位の痛みや掻痒感
  急性神経症状期; 不安感、恐水及び恐風症状、興奮性、麻痺、幻覚、精神錯乱などの神経症状
  昏睡期; 昏睡(呼吸障害によりほぼ100%が死亡)

(2)病原体診断
  @ PCR法による病原体の遺伝子の検出(唾液等)
  A 蛍光抗体法(FA)によるウイルス抗原の検出(皮膚、角膜等)
  B 間接蛍光抗体法(IFA)又はELISA法による抗ウイルス抗体の検出(脳脊髄液)
  C 分離・同定による病原体の検出(唾液)

(3)治療:発病後の有効な治療法はありません。

7 発症予防:罹患動物に咬まれた場合の治療として、ワクチン接種などにより行います。
   狂犬病ウイルスに有効な薬剤はありません。


  ・渡航中に動物と不用意に触れあわないようにしてください

  ・渡航先で動物と接触する必要のある場合には、狂犬病ワクチン接種をお勧
  めします

  ・万が一渡航中に流行地域で犬等に咬まれた場合には、現地医療機関で受診
  してください

  ・現地医療機関への受診の有無にかかわらず帰国時に検疫所(健康相談室)
  に相談してください





参考リンク:
  ・狂犬病について(厚生労働省)
             
・狂犬病(海外渡航者のための感染症情報)
           
・感染症の話:狂犬病(国立感染症情報センタ−)
         海外渡航と予防接種
          
FORTH予防接種機関デ−タ−ベ−ス
           
 (ワクチン欄の「狂犬病」にチェックを入れると、狂犬病ワクチン接種機関の検索が可能です)
         ・「狂犬病〜もし咬まれたら、すぐに医療機関へ〜」(外務省 海外安全ホームページ)